2010年12月2日更新
ことでん瓦町駅前から西に延びる高松常磐町商店街(トキワ街)。街を歩くと、楽しげな音楽が漏れ聞こえてくる。発信源は「ブリーザーズスクエア」だ。
去年7月に空き店舗を改装して開設。今では「ブリスク」の愛称で親しまれ、学校帰りにぶらりと立ち寄る中高生も多い。
中下利行事務局長は語る。「『行けば何かがある』そんな街を作りたいんです」―。
「郊外型大型店の進出で中心部の商店街が衰退・・・・・・」よく耳にするフレーズだ。しかし、トキワ街のターゲットは別にある。
「若い人たちは交通手段が充分じゃない。それに瓦町駅は鉄道3路線にバスなど絶好の〝ハブ〟機能がある。目指したのは車を持たない人、若い人向けの街づくりです」
東京での音楽プロデュース業から転身し、おととし高松市役所に公募で入庁。「商店街のにぎわい創出」という特命の下、中下さんが最初に行ったのが「若者へのインタビュー」だ。
「なぜ商店街に来ないのか」「何があれば来るのか」・・・・・・若者たちの多くが望んでいたのは「集まれる場所」「情報」そして「トイレ」だったという。
ブリスクでは音楽、映画、ファッションなど若者向けの情報をプロモーションビデオ(PV)やチラシで提供。気軽に立ち寄れる雰囲気にし、1階と2階に計3つのトイレも作った。元音楽プロデューサーという〝コネ〟を使って、いち早く最新PVを取り寄せられるのもウリだ。
1975年頃の最盛期には、一日約4万人の人通りがあったトキワ街。しかし、ここ数年は7000人に届かない。
中下さんは語る。「これまで商店街は『来てもらおう』という努力をしてこなかった。ただ店を開いて『来てくれればいい』という姿勢では人は来ない」
「来てもらうために」ブリスクが積極的に手掛けているのが商店街を舞台にしたイベントだ。しかしそのイベントも一味違う。
ストリートミュージシャンライブ、アーティスト発掘オーディション、アニメをテーマにした「キャラ★フェス」・・・・・・コンセプトは「個性的なイベントでコアなファンを獲得する」こと。
「キャラ★フェス」ではコスプレ姿やメイド姿の若者たちが街に溢れた。
ブリスク開設から1年半。トキワ街の空き店舗率は30.1%から26.0%に。今年10月には通行量(休日)が1年前の2倍を超えた。成果は確実に出ている。しかし「にぎやかになるだけでは意味がない」と中下さんは語気を強める。
「一番の目的は商店街の店舗の売り上げを増やすことです」。本音が漏れる。
「行政言葉の、単なる『にぎわい創出』で終わらせてはいけないんです」
ブリスクなどによる「にぎわい創出」事業は、国と高松市から合わせて年間2000万円を超える補助金が出ている。しかし期限は3年。今後目指さなければならないのはブリスクの、そして商店街の「自立」だ。
ブリスクでは現在、「オリジナルブランド商品」の開発を進めている。オリーブで作ったアクセサリー、香川漆器の技術を用いた漆塗りのアコースティックギター・・・・・・「香川ゆかり」「若者向け」の商品を、来年4月から本格的に販売していく。
さらにこれまで手掛けてきた数々のイベントの、ビジネス展開も視野に入れている。
その手始めに、トキワ街で成功したアニメイベント「キャラ★フェス」を丸亀市の商店街と連携して10月に実施。来年は琴平町での開催を計画中だ。
「ブリスクの民営化が今の大きな目標です」。中下さんはさらに続ける。「確かに商店街の空き店舗は減ってきました。しかし2階、3階はまだ空いている。私の最終目標は『住める街』にすること。若い人や学生に商店街に住んでほしいんです」。大学の学生寮誘致など、具体的なアプローチもすでに始めているという。
「来てもらおう」としてこなかった商店街。変化を好まない古くからの商店主らの姿勢に当初は悩まされた。しかし今では毎月テナント会議が開かれ、「日曜市をしよう」「通勤の時間帯に屋台を出そう」・・・・・・様々なアイデアが出てくるようになった。
ブリーズ・・・・・・そよ風。そして「自由に発想する」という意味も込めたと中下さんは話す。
商店街全体が変わりつつある―中下さんは誰よりもそれを強く感じている。
12月には様々なクリスマスイベントが予定されている。題して「トキワのハッピークリスマス」。
ツリーの点灯式(3日)、映像や音楽で商店街を演出するロマンティックロード(23~25日)、クリスマスソング限定カラオケ大会(24日)など。
詳しくはブリスクHPまで。

| 所在地 |
高松市常磐町1丁目9-31
TEL:087-887-0300 FAX:087-887-0301 URL:http://www.brsq.net/ |
|---|---|
| 設立 | 2009年7月 |
| スタッフ数 | 5人 |
































