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動向リサーチ

2010年12月16日更新

2010年1~10月「円高」関連倒産状況

~「円高」関連倒産が前年同期比3倍増の58件~

10月14日、外国為替相場は15年半ぶりに対ドルレート80円台に突入した。「円高」はジリジリと企業環境の足元をむしばみ始めている。

2010年1~10月の「円高」関連倒産件数 前年同期の3倍増

2010年1~10月の「円高」関連倒産は、前年同期比39件増、205.2%増の58件(前年同期19件)と急増している。最近の外国為替市場は、対ドルにとどまらず、他国通貨に対しても円の独歩高が急速に進行している。こうした円高が直接的、間接的に企業経営に影響し、すでに「円高」関連倒産が前年同期の3倍増に達している。さらに最高値の更新を目前にしており、今後の展開が注目される。なお過去の「円高」関連倒産の推移は下記の通り。

2010年1~10月の負債額別 10億円以上の大型倒産は倍増

2010年1~10月の「円高」関連倒産の負債総額は、前年同期比49.8%増の854億3900万円(前年同期570億100万円)にのぼった。これは負債10億円以上の大型倒産が25件(同127.2%増、前年同期11件)と倍増したのが大きな要因。

産業別 卸売業と製造業が突出

58件の産業別では、卸売業が前年同期比123.0%増の29件(前年同期13件、構成比50.0%)で最多となった。次に製造業が同425.0%増の21件(同4件、同36.2%)、小売業3件と続く。

形態別では、破産が同375.0%増の38件(前年同期8件、構成比65.5%)と最多。次に民事再生法が同11.1%増の10件(同9件、同17.2%)、銀行取引停止が7件(同ゼロ、同12.0%)、特別清算2件、内整理1件と続く。

最近の外国為替相場での急激な円高の影響は、輸入品の価格下落というメリットはあるが、輸出関連では価格競争での国際競争力低下というデメリットが大きく出る。

リーマン・ショック後の景気は、大きな落ち込みから新興国の需要拡大と欧米の落ち着きを背景に、輸出産業が牽引してきただけに、円高の影響はより深刻ともいえる。

一時よりは緩和されているとは言え、依然として高水準の円相場は、国内メーカーに生産拠点の海外移転を促し、労働力や部品などの海外現地調達、現地生産という「産業の空洞化」をも加速させかねず、企業倒産だけでなく国内の下請けや雇用など国内経済への波及も懸念される。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

動向リサーチとは

「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。

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