2011年1月20日更新
著作物=言語(文書、口述)、音楽、舞踊(動作、振付)、美術(漫画、絵画)、芸術的な建築物、映画(劇場用映画、ビデオ、ゲームソフト)、写真、コンピュータプログラムなどの表現形式によって、自らの思想や感情を創作的に表現したもの=が創作された時点で自動的に成立する財産権を「著作権」といいます。一般に、創作活動を職業としている人だけが著作者になると思われがちですが、著作物を創作した者が作品の著作者になります。
知的な創作活動によって何かを創り出した人に対して付与される知的財産権のうち、特許や商標などの産業財産権は、権利を取得するために申請や登録などの手続きが必要ですが、著作権はこうした手続きを一切必要としません。著作物が創られた時点で自動的に成立するのが著作権のルールで、国際的な条約で決められています。
1.作することにより、著作物に著作権が成立
著作権は、著作物を独占的・排他的に利用する権利。複製や翻案、編集などが認められる。
2.権利の流れ
著作権は、著作者人格権と著作権(財産権)に分けられます。
1.著作者人格権
著作者の人格的利益を保護するもので、譲渡はできないもの。
公表権:第18条。無断公表されない権利。
※ただし、公表に同意したとする推定規定はある。
- 未公表著作物の著作権を譲渡した場合(第18条2項1号)
- 未公表美術、写真の著作物については「原作品」の譲渡の場合。
- 映画制作者に映画の著作権が帰属した場合(第18条2項3号)
氏名表示権:第19条。氏名などを表示するかしないかの決定権。
※公正な慣行に反しない限り省略することができる。
- 例えばBGM
同一性保持権:第20条第1項:意に反する改変などを拒絶できる権利。
- 送りがな、句読点の改変。絵画に加筆する改変など。
2.著作権(財産権)にはどんなものがあるか
- 複製権:著作物の無断複製(コピー)を拒絶できる。複製とは、印刷、写真、複写、録画などを意味する。上演、放送または有線放送を録音し、または録画することを含む。図面に従って建築物を完成することも含まれる。
- 譲渡権
- 貸与権
- 頒布権
- 上演権・演奏権:公衆に見せる、聞かせる
- 上映権:静止画も含む
- 公衆送信権:放送・有線放送・インターネット送信・リクエスト対応の手動送信
- 公の伝達権:(第23条)大型テレビなどを使って公衆に見せたり聞かせたりすることに関する権利
- 口述権
- 展示権:美術作品の「原作品」と「未発行」の写真の「原作品」のみが対象。
- 翻訳権・翻案権
- 二次的著作物の利用に関する原著作者の権利
※すべて「無断で」~されない権利と読むと理解しやすいでしょう。
3.著作権の存続期間について
(1)財産権としての著作権
原則として、創作したときから著作者の生存期間はもちろん、死後50年を保護期間とする(著作権法51条2項)。計算方法は年で行い創作日の翌年1月1日より起算する。
例外・・・映画の著作物は例外で、公表後70年。未公表の場合は、創作後70年となる(著作権法54条1項)。
※著作者の死後は、その権利は相続される。法人著作の場合は、公表後50年となる。
(2)著作者人格権(著作者の人格的利益を保護するもの)
著作者の死により消滅する。一身専属権のため、相続はできない。
※ただし、著作者が生きていたら著作者人格権の侵害となるような行為は刑事罰の対象となり、500万円以下の罰金刑となる。事実上、永遠の権利とも言える点に注意が必要である。
4.著作権の制限
(1)私的使用のための複製(コピー)は?
個人的、または家庭内その他これに順ずる、限られた範囲内において使用する目的に限られて、OK。
CDバックアップコピーは1枚ならOK。ただし、原本譲渡の際は、廃棄などが必要となる。公衆利用のための自動複写機の利用は不可とされるが、暫定的に、コンビニに設置されているコピー機を用いてのコピーは可とされている。
(2)政令指定の図書館における複製は?
一人1部であることを条件にOKであるが、全文コピーは不可。
全文コピーは?非営利で図書館資料の保全などのためならOKとされている。
(3)引用については?
本文が主で、引用部分が従であればOK。なお、引用であることを明示すること。出所明示の義務がある。
(4)その他
非営利、公的な事業に限ってOKとされる。
・教科書など ・学校教育のための放送や複製など ・点字 ・聴覚障害者のための自動公衆送信 ・非営利の上演 ・時事報道 ・裁判上のコピー ・行政機関情報公開法などによる開示など
5.著作権の登録について
著作物が創作された時点で自動的に成立するのが著作権ですから、何の手続きを経る必要はありません。しかし、登録しなくても権利が発生するのにもかかわらず、著作権には登録制度もあるのです。
その目的は、取引における安全性の確保です。創作日などの事実関係を証明する、著作権の移転などの権利変動を公示することなどが理由です。
登録機関は、一般著作物は文化庁、プログラム著作物は(財)ソフトウエア情報センターとなっています。
登録の種類
・創作日登録:創作日の登録
・実名登録:無名・変名で公表された著作物の著作者が実名を登録
・移転登録:権利譲渡や質権設定などを登録
・出版権登録:出版権の設定、移転、質権設定などの登録
などがあげられる。
「知的財産権」の代表的な類別として“特許権”、“実用新案権”、“意匠権”、“商標権”などがあります。
「知財を知る」は、日々の企業活動から生み出される知的創造活動において権利保護を与え企業発展を支える知的財産制度、いわゆる“知財”をより深く知ることで、様々な商業活動において生み出される自社のサービスや商品を守り、かつ攻めの有効な武器として活用できる可能性を秘めています。
ここでは、知的財産権制度をより深く、より丁寧に実例を交えながら解説していきます。





























