2011年1月20日更新
~電力会社、NTT、JRなど多彩な顔ぶれ~
卯年生まれは、愛嬌たっぷり、人から可愛がられる。性格も温厚だが、「現状肯定」派が多い。
卯年は、琉球藩廃止・沖縄県設置(1879年)、ライト兄弟による人類初の有人動力飛行成功(1903年)、昭和金融恐慌発生(27年)、国鉄分割・民営化でJRグループが設立(87年)、日本銀行がゼロ金利政策を実施(99年)など、政治・経済の歴史的な転換の年でもある。この卯年に設立された法人数は、全国で8万8604社にのぼった。
最も設立が古かったのは1903年6月設立の温泉供給会社と耐火物メーカーの2社。設立年別では87年が2万6190社(構成比29.5%)で最多だった。月別では4月が1万440社(同11.7%)と最も多く、地区別では関東地区の3万4184社(同38.5%)、都道府県別では東京都の1万4773社(同16.6%)が多かった。さらに産業別では建設業の2万3244社(同26.2%)が最多だった。
売上高別では1億円以上5億円未満が3万1667社(構成比35.7%)、従業員数別では5人未満が3万3559社(同37.8%)と最多で、小・零細規模の法人が中心であることがわかった。
また卯年設立の上場企業は、電力会社の他、(株)資生堂、(株)マンダム(27年設立)、(株)ファーストリテイリング、アスクル(株)(63年設立)、オリコン(株)、(株)ミクシィ(99年設立)など、業界の草分け的な企業も多い。
※本調査は、東京商工リサーチの企業情報(2010年11月26日時点)から設立年が確認できた法人131万3608社を対象に「卯年設立」の企業を抽出し、分析した。
対象:1903年・15年・27年・39年・51年・63年・75年・87年・99年
売上高別では、1億円以上5億円未満が3万1667社(構成比35.7%)と最多。次いで、1千万円以上5千万円未満が1万9555社(同22.0%)、5千万円以上1億円未満が1万6291社(同18.3%)と続き、1億円未満が44.5%を占めるなど小・零細規模の法人がほぼ半数を占めた。
売上高のトップは、国内最大の保険機構である全国共済農業(協組連)で6兆5834億円。次いで東京電力(株)の4兆8044億円、関西電力(株)の2兆3474億円と続き、上位10社のうち5社を電力会社が占めた。戦後の経済復興のため電力事業の民主化と再編成が緊急の課題となり、51年に電気事業再編で設立された電力会社が存在感を示している。
1987年に国鉄の分割・民営化で設立された東日本旅客鉄道(株)は、7位にランクインした。99年には日本電信電話(株)の再編で、東日本電信電話(株)、西日本電信電話(株)がそれぞれ設立され、6位と8位にランクインした。
設立年別では、1987年が2万6190社(構成比29・5%)で最も多かった。85年のプラザ合意で円高不況に入り、景気対策で大幅な金融緩和を実施。これにより株式、不動産市場に資金が流入し86年12月から51カ月続いたバブル景気が幕を開けた。この好景気を背景にして多くの企業が設立された。以下、99年が2万1561件(同24.3%)、75年1万9208件(同21.6%)と続く。
最も古い卯年設立法人は、1903年設立の嬉野温泉観光(佐賀県)と品川リフラクトリーズ(東京都)の2法人。佐賀・嬉野は九州有数の温泉地で「日本三大美肌の湯」として知られる。品川リフラクトリーズは東証1部上場で総合耐火物メーカーでは国内最大手。
設立月別では、4月が1万440社(構成比11.7%)と最も多かった。次に7月8051社(同9.0%)、5月7783社(同8.7%)、10月7724社(同8.7%)、6月7702社(同8.6%)と続く。1年のうち、4月だけが1万社以上で、年度スタートに設立された法人が多いことを示している。
地区別では、関東が3万4184社(構成比38.5%)と圧倒的に多く、全体の3分の1以上を占めた。次いで、近畿が1万2426社(同14.0%)、中部が1万1860社(同13.3%)と続き、ここまでが1万社以上だった。以下、九州8228社(同9.2%)、東北6167社(同6.9%)の順で、最少は北陸の2642社。
都道府県別では、東京都が1万4773社(構成比16・6%)と最多で、近畿2府4県の合計を上回った。次いで、大阪府6224社(同7・0%)、愛知県5258社(同5・9%)、神奈川県5053社(同5・7%)、北海道4454社(同5・0%)と続く。
一方、最少は鳥取県の442社(構成比0.50%)。以下、佐賀県470社(同0.53%)、高知県547社(同0.6%)、奈良県553社、和歌山県554社の順。
産業別では、建設業が2万3244社(構成比26.2%)で最多。次いで、サービス業他1万7065社(同19.2%)、製造業1万3310社(同15.0%)、卸売業1万2856社(同14.5%)までが1万社以上。以下、小売業9621社(同10.8%)、不動産業5841社(同6.5%)、運輸業3094社(同3.4%)、情報通信業2149社(同2.4%)、農・林・漁・鉱業738社(同0.8%)、金融・保険業686社(同0.7%)の順。

全上場企業3642社のうち、卯年設立は316社(構成比8.6%)で、干支の平均303社を上回った。市場別では東証1部132社、東証2部26社、地方上場(大証、名証など)46社、ジャスダック89社、東証マザーズ23社。
卯年設立の上場企業を都道府県別にみると、東京都156社(構成比49.3%)、大阪府96社(同30.3%)、愛知県16社(同5.0%)、神奈川県14社(同4.4%)の4都府県で、卯年設立の上場企業の89.2%を占めた。
卯には、「卯の刻」(午前6時頃)や、初・産を意味することから一年の最初を意味するなど、物事の始まりを指す言葉が多い。2011年の干支は辛卯(かのとう)。「辛」は草木が枯れて新たな世代が生まれ、「卯」は草木が地面を覆う状態や扉が開く形と言われる。卯年生まれ企業には、電力、通信、エネルギーなど時代が求める業種も多いが、こうした言葉にイメージされるように、現状の経済情勢を打開し、新たな状況を切り開くことが期待されている。
「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。


































