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動向リサーチ

2011年2月3日更新

四国地区企業倒産集計 2010年1月~12月

件数 313件 前年度比 -23.8%(2009年 411件)
負債総額 67,343百万円 前年度比 -77.1%(2009年 294,446百万円)

特徴

  1. 倒産件数は前年比98件の減少。過去10年で9番目となる。
  2. 負債総額は、前年比77.1%の減少。過去10年で最少を記録。
  3. 県別では、愛媛を除く3県で前年の倒産件数を下回る。
  4. 業種別では、建設業が68件でトップ。製造業は前年比24件の減少。
  5. 原因別では、販売不振が180件でトップ。不況型倒産は前年比51件の減少。

《概況》

2010年の四国地区企業倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理を含む)は313件、負債総額673億4300万円であった。件数は、前年比23.8%減で、98件の減少となり、過去10年で9番目となった。一方、負債総額は前年(株)穴吹工務店1388億1100万円が発生した反動もあり、前年比77.1%減で、過去10年で最少となった。原因別では、販売不振が180件(構成比57.51%)でトップ、不況型倒産は215件(構成比68.69%)であった。業種別では、建設業が115件でトップ、小売業48件、サービス業他44件、卸売業41件、製造業37件、農・林・漁・鉱業10件、不動産業9件、運輸業5件、情報通信業3件、金融・保険業1件であった。倒産形態別では、法的倒産175件(破産160件、特別清算8件、民事再生6件、会社更生1件)、銀行取引停止131件、内整理7件であった。負債10億円以上の倒産は13件(前年29件)で、負債総額トップはカトキチ高松開発(株)(高松市・ゴルフ場経営・2月)の72億2500万円であった。

《県別》県別では、愛媛を除く3県で、件数が減少。減少率トップは香川県の47.9%減

県別にみると、前年比で、件数は愛媛を除く3県が減少。負債総額は4県全てで減少した。香川県は、75件で前年69件の減少となった。一方負債総額は、205億4100万円で前年比1852億4100万円の減となった。前年(株)穴吹工務店1388億1100万円が発生した反動から大幅減となった。愛媛県は、倒産件数132件で4県中トップで、前年比2件の増となった。負債総額は、299億7700万円で前年比230億8300万円の減となり、前年はタック化成(株)240億3400万円、(株)ジョーコーポレーション90億円といった大型倒産が発生したが、その反動が大きく大幅減となった。高知県は、件数50件で前年比27件の減となった。負債総額は95億8200万円で、56億6000万円の減となった。徳島県は件数56件で、前年比4件の減となった。負債総額は、95億8200万円で、前年比56億6000万円の減となった。

《原因別》不況型倒産は、215件(構成比68.69%)で、前年比51件の減少

件数は販売不振が180件(構成比57.51%)でトップ。次いで既往のシワ寄せ33件、他社倒産の余波31件、過小資本30件、放漫経営24件、その他、設備投資過大各5件、信用性低下3件、売掛金回収難2件であった。負債総額は販売不振が379億500万円、既往のシワ寄せ84億100万円、放漫経営61億4800万円、他社倒産の余波52億8900万円、過小資本42億3800万円、設備投資過大26億5300万円、売掛金回収難6億2500万円、信用性低下2億8400万円であった。不況型倒産は、215件(構成比68.69%)で前年比51件の減少、負債総額は469億3100万円だった。

《業種別》建設業が115件でトップながら、35件の減少となった

件数は、建設業が115件でトップ、以下小売業48件、サービス業他44件、卸売業41件、製造業37件、農・林・漁・鉱業10件、不動産業9件、運輸業5件、情報通信業3件、金融・保険業1件となっている。前年との比較では、建設業、製造業が各35件、卸売業15件、運輸業8件、小売業5件、情報通信業2件、不動産業1件の減少となり、8業種で減少した。農・林・漁・鉱業が9件増と唯一増加した。金融保険業は同数だった。負債総額は建設業171億4800万円でトップ、以下サービス業他158億300万円、製造業137億7500万円、卸売業92億3600万円、小売業42億7500万円、農・林・漁・鉱業41億3100万円、不動産業15億6100万円、運輸業11億600万円、情報通信業2億9700万円、金融保険業1100万円となった。

《今後の見通し》

2010年の四国地区企業倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理を含む)は313件、負債総額673億4300万円であった。件数は、前年比23.8%減で、98件の減少となり、過去10年で9番目となった。件数は過去10年では05年の310件に次ぐ2番目という低水準となり、倒産の沈静化が定着した。一方、負債総額は前年四国地区最大の倒産となった(株)穴吹工務店(負債総額1388億1100万円)が発生した反動に加え、負債総額10億円以上の倒産も13件と前年の29件から大幅に減少したことが影響し、前年比77.1%減となり過去10年で最少を記録した。

業種別では、建設業(150件→115件)と製造業(72件→37件)が共に35件の大幅な減少となった点が目立つが、建設業は景気対策による公共事業の前倒し発注の影響から受注状況が前年より好転したことが要因とみられ、製造業においてはリーマンショック直後と比較して業績が回復傾向を辿ったことにより倒産が減少したものと思われる。

原因別では、「販売不振」(218件→180件)を始め、全ての原因が減少しているが、主要なものでは「過小資本」(52件→30件)の減少率が最も大きく、資金繰りに起因した倒産が沈静化したことが窺われる。これは、09年12月に施行された「中小企業金融円滑化法」に基づく返済猶予等貸付条件の変更申込や「景気対応緊急保証」といった政策効果が大きかったものとみられる。

上場企業の中間期決算は好決算が相次いだが、中小企業への波及にはタイムラグがあり、四国地区においては、全業種でまだまだ景気回復の動きは少ない。デフレ下での消費不振に加え、更に公共工事が減少を辿ることも懸念材料になってくるものと思われ、今年も四国の中小企業を取り巻く環境は厳しい状況が続くことが予想される。

倒産抑制に最も効果を発揮している金融円滑化法は、当初11年3月末までの時限立法であったが、金融庁より1年間の延長が決定され、12年3月末までの実施となった。そのため、倒産件数が一気に増加に転じる可能性は少なくなったが、施行から1年を経過し、既に返済猶予を受けている企業においては金融機関に提出している経営再建策の見通しが立たず、結局破綻に至るケースが散見されるようになっており、政策効果は限定的になってきている。

資金繰りがひっ迫している企業は潜在的には高止まりしているのが実情であり、政策効果が息切れする懸念も高まってきていることから、11年は企業倒産が前年水準を上回る可能性が高い。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

動向リサーチとは

「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。

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