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動向リサーチ

2011年2月17日更新

未上場建設会社1037社 売上高5期動向調査(売上高50億円以上)

~業種、地区で格差広がる~

売上高50億円以上の地場を代表する未上場建設会社の売上高は、2007年度をピークに2年連続で落ち込んだ。特に、ビルやマンションなど箱物を扱う総合建設業や建築業の落ち込みが大きく、職別工事業や設備工事業も下落幅が大きかった。一方、公共投資削減の波が直撃していた土木業は、景気刺激策による公共工事の前倒し発注などが寄与し、唯一前年度を上回った。リーマン・ショックによる景気低迷と財政悪化に伴う公共工事削減の広がりから、07年度を境に厳しさが増している建設業界だが、業種により深刻さの度合いも明暗を分けているようだ。

※本調査は、東京商工リサーチ(TSR)の企業情報247万件のうち、09年度(09年4月期~10年3月期)決算で売上高50億円以上の未上場建設会社を対象に、5期連続で業績比較が可能な1037社を分析した。

1037社の売上高 全体では2年連続で減少

未上場建設会社1037社の売上高合計は、ミニバブルに湧いた2007年度の19兆9356億円をピークに、08年度は前年度比2.6%減、09年度は前年度比5.8%減と落ち込み幅が拡大している。

1037社を総合建設業、土木業、建築業、職別工事業、設備工事業の5業種別でみると、売上高はマンション建築等が活況を呈した06年度から08年度にかけて、総合建設業(06年度)、建築業(07年度)、職別工事業(08年度)、設備工事業(08年度)がピークを迎えた。

しかし、07年6月に建築基準法が改正され、さらに08年9月にリーマン・ショックが起こり、これを境に08年度以降、売上は大きく減少に転じている。特に、総合建設業は、09年度は前年度比9.7%減と大幅に減少した。さらに建築業に引きずられる格好で職別工事業、設備工事業が大きく落ち込み、4業種は一体的な動きを示した格好となった。

一方、土木業は05年度から2年連続で前年度を下回り、ミニバブルの恩恵をほとんど受けなかった。しかし、08年度から09年度にかけて自民党政権時代の景気刺激策としての公共工事の前倒し発注が進むと、09年度は他業種が売上高を落とすなかで唯一増加に転じた。

総合建設業や建築業などは、長引く景気低迷で民間設備投資の落ち込みや箱物行政批判の煽りを受けて厳しい環境にあったが、土木工事業は景気刺激策の公共投資が業績に直接プラスに作用した。大手ゼネコンとの競合が比較的少ない小口の公共工事を中心に受注している地元企業には、公共投資が業績下支え効果を持つことを裏付けた。

企業規模で明暗 規模の大きい会社ほど落ち込み幅大

1037社の売上高を資本金別にみると、2009年度は「資本金5億円以上」が前年度比7.1%減、「資本金1億円以上」も同6.5%減と売上高の落ち込みが大きかった。また、「資本金5000万円以上」も同4.5%減で、企業規模の大きい建設業ほど業績に苦慮していることがわかった。

これに対し「資本金5000万円未満」のいわゆる小規模企業では、08年度に同11.1%減と大幅な減収に陥ったが、09年度は逆に同1.2%増と唯一増加した。小規模企業は公共工事の前倒し発注や前年度の大幅落ち込みの反動から、売上の落ち込みに歯止めがかかった。

2009年度は9地区すべてで前年割れ

1037社を地区別にみると、2009年度は9地区すべてで前年を下回った。特に、北陸(前年度比17.9%減)、近畿(同8.3%減)、北海道(同6.2%減)は落ち込みが大きかった。北陸は四国と並び、07年度から3年連続で減少している。

北陸、近畿、北海道では、地場建設会社の倒産も頻発している。民需低迷に加えて公共投資依存型の企業が多く、地場企業同士の競合激化や大手ゼネコンとの競合も激しく、公共工事が地場企業の業績に反映していない実態も浮かび上がっている。

こうした事態は解消メドがうかがえず、10年度の業績も公共工事の削減を引きずっており、さらに悪化が予想される。

5期連続増収は39社、2009年度売上高1000億円超は17社

1037社の5年間の売上高をみると、5期連続の増収は39社(構成比3.8%)にとどまった。2004年度から4期連続増収で、09年度に減収に転じたのは78社(同7.5%)で最も多かった。

5期連続増収の39社は、住宅関連や大手系列が多かった。ミニバブルの最中に受注基盤を固めた企業や、資本背景を活かした積極受注が業績に反映した。

04年度と09年度の2期売上高の比較では、伸びがもっとも大きかったのはタマホームの1591億2700万円増。次いで、日立プラントテクノロジーの1069億5200万円増で、1000億円以上の増収は2社のみ。2期比較の増収額上位では、大手系列が大半を占めていた。

また、09年度売上高ランキングでは、トップはスーパーゼネコンの1社でもある竹中工務店で、売上高は9839億800万円。次いで、旭化成ホームズの3163億5800万円、ロッテ建設の3127億6800万円、三菱電機ビルテクノサービスの2881億6500万円の順。売上高が1000億円を超える建設会社は17社だった。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

動向リサーチとは

「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。

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