2011年3月3日更新
前回は自社が持つ特許技術の活用について述べました。今回は特許権の権利侵害への対応、守りと攻めについて考えます。
第三者が特許権者から実施を許諾されていないにもかかわらず、業として特許発明を実施する場合は、特許権の侵害となります。
(1)権利者の対応
- 文言による解釈・・・権利を侵害するか否かは、その実施行為がクレームに記載されている要件をすべて満たしているかどうかで判断する。判断はクレームの構成を要件毎に分割し、それぞれの要件と実施内容を個々に判断する。
- 均等論による解釈・・・文言に書いていなくても、技術範囲が均等に及ぶ場合は権利侵害となる。
- 特許権の効力が及ばない場合・・・試験または研究、国際交通機関の運行上必要なもの、特許出願時から日本国内にあるもの、医師または歯科医師の処方せん
(2)権利の行使
特許権を保有している場合は、侵害者に対して次の権利を行使できます。
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民事上の救済
1:差止請求権・・・特許権が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合は、侵害の停止又は侵害の予防を請求できる
2:損害賠償請求権・・・特許権が故意、または過失によって侵害された場合は、特許権者は、侵害によって受けた損害の賠償を請求できる
3:不当利得返還請求権・・・特許権が侵害された場合、侵害者に故意又は過失がなかったことが証明されれば、損害賠償の請求はできない。しかし、特許権者は侵害者に対して不当利得の返還を請求できる。
4:その他・・・警告、証拠保全、書類提出命令、信用回復措置 -
刑事上の救済
特許権が、過失でなく故意に侵害された場合は、告訴により侵害者の責任を追及して刑事罰を科することができます。
特許権侵害罪
実施者:10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金
使用者:3億円以下の罰金
警告を受けた場合は、その正当性を調査検討しなければなりません。
(1)特許権に基づいた警告を受けた場合
- 警告を受けた特許権の登録原簿を確認する。警告者が正当な権利者か、特許権が有効であるか。
(2)登録前の特許出願に基づいて警告を受けた場合
- 補償金請求権の行使の条件を確認。特許権はないためすぐに対応策を講ずる必要はない
- 特許権の成立を防ぐため特許庁に情報提供をおこなう。継続的なチェック
(3)相手方の特許権を侵害している場合
- 特許公報により相手方の権利範囲を確認する
(4)発明の実施をする権利を有していないかの確認
- 特許発明がその出願日以前より自社で製造販売していないか。先使用に基づく通常実施権がある場合がある
(5)侵害が明らかになった場合
- 特許無効審判の請求。新規性、進歩性の確認。無効理由を見つける。全世界においての資料が対象となる。
- 相手方から損害補償を提起される
(6)特許無効審判
特許が無効理由を有するとき、その特許を無効にすることを誰でも請求できる。
監修:香川県知的所有権センター
「知的財産権」の代表的な類別として“特許権”、“実用新案権”、“意匠権”、“商標権”などがあります。
「知財を知る」は、日々の企業活動から生み出される知的創造活動において権利保護を与え企業発展を支える知的財産制度、いわゆる“知財”をより深く知ることで、様々な商業活動において生み出される自社のサービスや商品を守り、かつ攻めの有効な武器として活用できる可能性を秘めています。
ここでは、知的財産権制度をより深く、より丁寧に実例を交えながら解説していきます。





























