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知財を知る

2011年4月21日更新

11.意匠の活用

形あるものは全て「デザイン」されているため、「ものづくり」に関わる企業にとって「デザイン」は他人事ではありません。また、一口に「ものづくりに関わる企業」といっても事業環境は違いますが、様々な場面で意匠権を戦略的に活用することができます。

1.模倣品・類似品を抑える活用法

出願の時期が遅かったために、製品が発売されても意匠権で保護されていない期間が生じたり、権利の幅が狭いために、類似品をカバーできなかったりします。「製品販売開始までのスケジュールを考えて出願時期を計画」「部分意匠や関連意匠を活用して『真似されない』権利を取得」などが戦略的意匠権活用のポイントです。

《製品デザインを保護しなかった企業の声》

事業者向け製品を日本で最初に考案したにも関わらず、意匠を出願しなかったため、その後一般的に出回るようになってしまった。意匠を出願しておくべきだった。
(九州、空調機器製造・販売、従業員規模:100~299人)

2.自社ブランド保護のための活用法

独創性・新規性の高いデザインの意匠権を多く保有することで、自社のブランド力を高めることができます。また、あるデザインを核として、それを複数の製品に適用してシリーズ化することにより、さらにブランド力を高めることもできます。製品デザインだけでなく、パッケージや包装デザインの意匠権を取得し、これを多種の製品に用いて展開することも有効です。

3.特許権・実用新案権との組み合わせ

意匠権と特許権、あるいは実用新案権を組み合わせて権利を確保することにより、製品デザインと技術の両方から補完的な保護が可能となり、相乗効果により他者の参入を防止できます。

主要な技術を特許で押さえ、周辺の技術で意匠権によって押さえられるものは意匠権で確保するといった手法があります。

4.グローバルに意匠権を保護

海外においても意匠権は製品デザイン保護に有効で、「現地での製造・販売の継続性の確保」などの効果があります。一方で、海外への出願にはコストがかかるため、販売規模や模倣品・類似品の状況なども勘案した経営判断が求められます。また、特許制度や商標制度と比べて、意匠制度は各国で大きく異なっているため、日本の制度と同じように考えていると、思わぬ落とし穴に陥ることがあるので注意が必要です。

《海外で多数出願している事例》

これまで模倣品に悩まされていた経緯もあり、製品販売を行っている86カ国に出願している。
(関東、筆記用具製造・販売、従業員規模:300人~)

意匠権は2006年の法改正により、設定登録日から20年間存続するようになりました。模倣品の流通・輸出入を防止するための措置を強化するという方針によるものです。

以上のことが示すように、国の方針も意匠権の強化を図っていることがよくわかります。

監修:香川県知的所有権センター

知財を知るとは

「知的財産権」の代表的な類別として“特許権”、“実用新案権”、“意匠権”、“商標権”などがあります。
「知財を知る」は、日々の企業活動から生み出される知的創造活動において権利保護を与え企業発展を支える知的財産制度、いわゆる“知財”をより深く知ることで、様々な商業活動において生み出される自社のサービスや商品を守り、かつ攻めの有効な武器として活用できる可能性を秘めています。
ここでは、知的財産権制度をより深く、より丁寧に実例を交えながら解説していきます。

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