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潮流

2011年5月5日更新

サプライチェーン

事業活動を行う際に、原材料・部品を調達し、加工・組み立てを施し次の行程へ引き渡していく一連のつながりをサプライチェーンと呼んでいますが、今回の震災ではそのサプライチェーンが寸断され日本中、場合によっては世界に、ものを作りたくても作れない状況が発生しました。競争の中で事業を継続・発展させるために我が国の企業は合理化とコスト削減を徹底して進めてきましたが、その結果、サプライチェーンが非常にタイトなものになってしまったという、あらためて考え直す必要があると言わざるを得ない状態です。

阪神淡路大震災の際にも同じことが指摘されました。自動車のエンジンに組み込まれる小さなバネ、世界中の自動車メーカーが採用しているこのバネの大半が被災した神戸にある製鉄所一社で作られていたことから世界がパニックに近い状況になったことを覚えておられる方もいらっしゃると思います。

今回の震災でも、思いがけないところで原料や部品の調達が滞り、増産要求に応えられなかったり、生産ラインを止めざるを得なかった工場が四国にも多く発生しました。

サプライチェーンを合理化のためにぎりぎりまで絞ることと、安定供給確保のためにコストをかけて複層化することとは対立する内容であり、そのバランスをどこに求めるかは経営判断として非常に難しいものになります。更に言えば、同じ場所で大震災が起こる間隔は会社の寿命よりも長い、すなわち会社が存続している間に一度も起こらないかもしれないリスクをどう評価していくかと言うことにもなります。被災された企業の回復段階だけでなく、これから設備投資を行う際にすべての企業にとって、判断を求められる難しい課題です。

我が国の競争力を維持強化していくために、国内立地を進めていくことは非常に重要なテーマですが、瀬戸内海沿岸は、日本の中でも自然災害の発生確率が低い地域と考えられています。このような条件が立地を決める際に、重要なファクターになるかもしれません。

四国経済産業局長 加藤 元彦

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