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動向リサーチ

2011年5月5日更新

2010年度四国地区企業倒産状況

~件数は312件(前年度比 -13.3%)
    負債総額は約580億円(前年度比 -77.4%)~

2010年度の四国地区企業倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理を含む)は312件、負債総額579億7800万円であった。

  1. 倒産件数は前年度比13・3%減。過去10年で9番目。
  2. 負債総額は、前年度比77・4%の減少。過去10年で最少。
  3. 県別では、愛媛県、徳島県で前年度比増加。香川県、高知県は減少。
  4. 業種別では、建設業が113件でトップ。10業種の内、8業種が前年度比減少。
  5. 原因別では、販売不振が185件でトップ。不況型倒産は前年度比14・23%減。

概況

2010年度の四国地区企業倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理を含む)は312件、負債総額579億7800万円であった。件数は、前年度比13.3%減、2年連続で減少した。一方、負債総額は前年度比77.4%減、過去10年で最少となり、(株)穴吹工務店(負債総額1388億1100万円・高松市・マンション販売)の発生があった前年度から大幅に減少した。原因別では、販売不振が185件(構成比59.2%)でトップ、不況型倒産は211件(構成比67.63%)であった。業種別では、建設業が113件でトップ、小売業48件、製造業、卸売業各42件、サービス業他38件、不動産業12件、農・林・漁・鉱業10件、運輸業6件、情報通信業1件であった。倒産形態別では、法的倒産185件(破産173件、民事再生、特別清算各6件)、銀行取引停止118件、内整理9件であった。負債10億円以上の倒産は12件(前年度22件)であった。

倒産件数、負債総額共に愛媛県がトップ

県別にみると、前年度比で、件数は愛媛県、徳島県で増加。香川県、高知県は減少した。香川県は、件数73件、前年度比40.2%減となった。一方負債総額は、127億9900万円で前年度比93.8%減となり、(株)穴吹工務店1388億1100万円が発生した前年より大きく減少した。愛媛県は127件で4県中トップ、前年度比8.5%増。負債総額も300億5600万円となり4県中トップで、前年度比57.0%の増となった。高知県は、件数52件で前年度比24.6%の増となった。一方負債総額は55億6800万円で、前年度比72.1%の減少となった。徳島県は件数60件で、前年度比15.4%増となった。負債総額は95億5500万円で、前年度比12.2%の減少となった。

今後の見通し

2010年度の四国地区企業倒産は、件数は312件で、2年連続で減少、過去10年間で9番目となった。一方、負債総額は、579億7800万円と過去10年間で最少となり、1990年度(負債総額432億2000万円)以来、600億円を下回った。前年度は四国地区過去最大の倒産となった(株)穴吹工務店が全体総額を大きく押し上げたものの、2010年度は最も大型の倒産で負債総額は20億円にとどまっており、負債総額5億円以上の倒産は26件と前年の42件から前年より16件減少した。更に負債額別にみると、負債額5億円未満1億円以上135件→116件、1億円未満5000万以上79件→77件、5000万円未満1000万円以上104件→93件と軒並み減少、規模の大小問わず倒産が減少した。

業種別では、建設業(131件→113件)、製造業(60件→42件)とそれぞれ18件の減少となる等、主要業種は軒並み減少し、10業種のうち8業種が前年度から減少した。政府の景気対策に伴う公共事業の前倒し発注による受注増やエコポイント、エコカー減税といった施策が倒産抑制に一定の効果を発揮したとみられる。

原因別では、「販売不振」を含む「不況型倒産」が246件→211件と減少しているが、運転資金の欠乏を示す「過小資本」も38件→30件とさらに減少している。通年にわたり緊急保証制度の効果が継続した他、09年12月施行の「中小企業等金融円滑化法」により、銀行借入の返済条件を変更する企業が相次いだことが、倒産抑制に大きな役割を果たしたものと思われる。

3月11日に発生した「東日本大震災」により経営環境が一変、四国の企業にも影響を及ぼし始めている。自粛ムードにより需要が減少していることに加えて、被災した工場の生産が停止した影響で、あらゆる業界で資材の供給不足が発生し、安定した仕入れが出来なくなっている。資材が入手出来ないため、施工中の現場が止まったり、受注を制限、中止せざるを得ないケースが増えている。資材不足は首都圏の電力不足、原発事故も影響し、長期化の様相を呈してきていることから、企業の運転資金需要が増す状況が長期にわたるものと予想される。しかしながら、すでに中小企業等円滑化法を利用し返済猶予を実施している企業は、新たな資金調達が難しいケースも多いとみられ、一段と厳しい資金繰りを余儀なくされる企業が続発する懸念がある。また、震災による需要の落ち込みが、返済猶予を実施して2年目を迎える企業の再リスケの動向に影響を及ぼす可能性がある。今年度四国地区においても公共投資は政府予算圧縮から減少が続くとみられることに加え、大震災の影響がさらに拡大する懸念もあり、倒産件数は増加傾向をたどる可能性が高い。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

動向リサーチとは

「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。

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