2011年7月7日更新
全国で大ブームとなっているB級グルメ。香川のB級グルメといえば「骨付鳥」を思い浮かべる人も多いだろう。
発祥の地は丸亀市。市内では、商工会議所青年部や骨付鳥を販売する店舗で「丸亀とっとの会」を結成し、さまざまなPR活動に取り組んでいる。
「販売促進が第一の目的ではありません。丸亀が観光客であふれ、にぎわうことが願いです。私たちがこよなく愛する骨付鳥が、そのきっかけになってくれれば」と会長の杉山統さんは語る。
鶏の骨付きもも肉を丸ごと1本焼き上げた「骨付鳥」。ルーツは1952年、丸亀市内の居酒屋にある。
「もともと養鶏業がさかんで、鶏肉料理が身近な存在だったのでは」と杉山さん。「3歳のころから骨付鳥を食べています。幼いころから大好きなごちそうでした。多くの店で、歯ごたえがあって味わいの深い親鳥と柔らかくジューシーな若鳥を提供しています。高校生のころ〝親〟を初めて注文したときに、大人になったなと感じましたね」
骨付鳥を出す飲食店のチェックは、今も欠かさない。市内外を問わず食べ歩く。「最高で1日6本食べました。家でも食べるんですよ。市内に多数ある店舗もそれぞれ味が違うし、もちろん家庭の味もあります。楽しみや味わいは何通りもあるんです」
うどんを目当てに丸亀を訪れる観光客は多い。「昼間のにぎわいがウソのように、夜は閑散としていましたね。うどんを食べたら終わりというのはもったいない。何か名物があれば…と思い、頭に浮かんだのが市民にとってなじみの深い骨付鳥でした」
丸亀商工会議所青年部の会長を務めていた杉山さんは「地元を盛り上げたい」と一念発起し、丸亀市商工観光課の協力を得て丸亀とっとの会を結成。名物をPRすることで、まちにも興味を持ってもらえるのではと考えた。「とっと」は丸亀の方言で鳥を意味する幼児語。子どもからお年寄りまで親しんでもらえるようにと会の名前にした。
入会の条件は、骨付鳥を愛し、丸亀を盛り上げたいという情熱があることだけ。当初は30人だったメンバーも現在では120人に。趣旨に賛同する飲食店も30店舗ほど参加。店舗情報を掲載したマップを作成し、観光案内所や宿泊施設に設置した。発行は鳥にちなんで、乙酉(きのととり)だった2005年10月10日。語呂合わせからこの日を「とっとの日」とし、毎年イベントを展開している。5月の丸亀お城まつりでは、「いかにおいしそうに、きれいに食べられるか」を競う「全日本骨付鳥選手権」も主催する。
「骨付鳥の魅力は何といっても達成感。丸ごと1本食べると大満足です。かぶりついて食べるのが醍醐味。『バラシにして』と頼むと一口大に切ってくれるので、女性やお子さんにはそちらがお薦めです。スパイシーな味付けは、一度食べたら病み付きですね」
全国的な広がりを見せるB級グルメブーム。骨付鳥にとっても追い風になるのでは―
「ファンが増えるのはありがたいことですね。でも調理に時間がかかり、素材の鮮度を保つのも難しいため、コンテストには向かないと考えています。骨付鳥はファストフードではなくスローフード。〝手軽、簡単、おいしい〟ではなく、腰を据えて仲間と語り合いながら、じっくりと味わうものというイメージです。興味のある方には、やはり丸亀にお越しいただいて味わってほしいですね」
「仕事終わりに骨付鳥で一杯」というビジネスマンも多い。「骨付鳥に親父っぽさを感じる人もいるでしょう。でもお父さんが笑顔になれる店って大事だと思うんです。ニコニコして家族を連れて行ける、そんな場所になってくれたらうれしいですね」
丸亀市内ではうどんタクシーならぬ「とっとタクシー」が走る。市内のタクシー会社が持ち回りで運営し、ドライバーがとっとの会加盟店へ案内してくれる。ステッカーが目印だが、鶏の形をしたあんどんをつけたものも。運行は一台のみで、遭遇できるのはかなりラッキーなのだとか。
「今後もいろいろな形態で広報していきたい。丸亀の知名度はまだまだ低い。会員が気軽に宣伝できる環境を整えていくことが課題ですね」。宿泊施設とも協力し、骨付鳥1本が無料になるクーポン券付きの宿泊プランを実施している。
「お城をゆったりと散策して、うちわ製作を見学・体験する。昼はうどん、夜は骨付鳥の観光コースがいいんじゃないでしょうか」
名物を生んだまちを観光の名所に―。「おいしい」の連鎖が人を呼び、食べた人みんなを笑顔にしてくれる。ブームを味方に付けた躍進はこれからも続く。
骨付鳥の味わいと食感を再現した「骨付鳥スナック」が、7月から販売開始となった。杉山さんは試食を担当。「骨付鳥はテイクアウトもできますが、遠方だと鮮度や持ち運びなど難しい点も多い。スナック菓子で気軽に本場の味を楽しんでもらえれば。お菓子をきっかけに『丸亀に行って骨付鳥を食べてみたい』と思ってくれたらうれしいですね」

| 所在地 |
丸亀市新町6 (JR丸亀駅構内丸亀市観光案内所) TEL:0877-22-0331 |
|---|---|
| 会員数 | 120人 |
沿革
- 2005年 設立
とっとの日制定
骨付鳥マップ発行 - 2006年 第1回骨付鳥選手権開催































