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潮流

2011年8月4日更新

「桐始結花」復旧の先にあるものに目を凝らす

大暑を迎え、七十二候では桐が実り始める季節となりました。昨年、瀬戸内国際芸術祭初日に高松空港に降り立ったことを昨日のことのように思い出します。この一年を振り返ると、切れば切るほど成長する桐のように、日々気持ちを新たに過ごすことができたように思います。多くの経営者のみなさんとお会いしてお話をお伺いする中で、自分の考えの至らなさ、未熟さを日々切り落としながら進んできました。

わが国経済は予想を上回るスピードで震災の影響を克服しつつあります。ただ、依然として被災地の状況は過酷であり、原発事故の経済・社会への影響も深刻化しているようにみえます。経済は、多くの人々の活動や思いが一つのうねりとなって上下するものです。当地経済の先行きを考える上でも、昨年後半以降継続している着実な回復とその背後に存在する構造的な課題を同時に認識していかなければなりません。

香川の有効求人倍率は1倍に迫り、全国対比でも速いテンポで改善しています。しかしながら、多くのみなさんにとっては暮らしが楽になった実感がないのが現実です。企業の増益見通し、求人の増加という動きは事実であり、明らかに当地経済は上向いてきています。ではなぜこうした環境改善が家計のゆとりに繋がっていかないのか。このギャップを解消するためには、人々の物価観や成長期待、企業の先行き見通しや世界の動きといった様々な要素が同時に前向きに動いていく必要があります。経済の現状を評価・分析するだけでは克服できない、構造的な課題に正面からぶつかることが、私の2年目のテーマです。

今年の蛍、数はやや少なめでしたが、静かな川沿いに飛び交う姿を間近で堪能しました。蛍が住む自然の素晴らしさと、みんなが成長を実感できる元気な社会を同時に実現していくためにできること。仕立て上がったばかりの藍染の浴衣で夏の夜を惜しみながら、一歩一歩実りの秋に向かって進んでいきたいと思います。

日本銀行高松支店長 清水 季子

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「かがわ経済ナビ」は、経済に詳しい専門家の方々に香川や四国の経済状況、新たな動き、今後の展望などを語っていただく「潮流」。
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これらのコーナーで構成し、香川で働く人々のビジネスナビゲーターとして有益な情報を発信していきます。

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