2011年8月4日更新
暑い夏、のどを潤してくれるアイスクリームやジュース。何気なく手に取っている商品は、どこから運ばれてくるのだろう。
高松市西ハゼ町の四国牛乳輸送株式会社は、森永乳業などの乳製品やコンビニエンスストア商品の輸送を請け負う。
150台のトラックが、製造元から販売店へと走り、今日もあなたのまちへ「おいしい」を届ける。
「食品輸送は信用と信頼が第一」と、経営管理室の取締役室長を務める来代啓介さん。創業者は来代さんの祖父。森永乳業の四国進出をきっかけに、物流を担おうと立ち上げた。牛乳、ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム…数多くの乳製品を、スーパーマーケットなどの販売店へ運んできた。
「『餅は餅屋』と考え、食品を中心に運送事業を展開しています。安定した輸送がお客さまの信頼を生み、利益につながるのでは」
温度管理を必要とする食品。「あれもこれも」ではなく、専門性を高めることが社業発展の秘けつだ。
安定した輸送を実現するために、ドライバー190人とトラック150台を抱える。従業員に徹底させているのは、当たり前のことを当たり前にこなすこと。
「マニュアルを100%実行できればお客さまの満足度は高いでしょう。私たちの強みは食品輸送の品質。容器の変形や破損があったのでは、店頭に並べられません」。スピードを出さない、信号を守る、シートベルトを締める…基本に忠実であることが原則だ。
「ISOを取得しました。さらにうまく活用していくため、社内にISO推進委員会を組織。月に1度、会を設けました。意見を出し合うことで、それぞれの部門で何をしたらいいのか明確になりましたね」
他社との差別化は―。「需要以上に運送業者がおり、過当競争の状態です。仕事を確保、維持するためには『提案力』が必要でしょう。アピールの手法や付加価値をどうつけるのかが今後の課題ですね」
乳製品から食品全般の輸送へ。業務拡大にも柔軟に対応してきた。
12年ほど前、森永乳業以外のメーカーも扱うように。明治乳業や江崎グリコの製品を配送している。四国内の流通にとどまらず、香川から全国へ向けても事業を展開。「地元食品メーカーのうどんやコロッケなど冷凍食品を運んでいます。北は仙台、南は鹿児島までカバー。大型トラック35台が全国を走ります」
暮らしの中で身近なコンビニエンスストア。この商品も、四国牛乳輸送が運んでいる。「ミニストップの商品配送を受託しているんですよ。一部の商品を除いて自社の倉庫に保管しています。庫内には、常温保管できるスペースと冷蔵庫があり、一括で管理できるんです。ここから四国4県のミニストップへ配送しています。今年11月には、高松市内にもう1カ所倉庫を建設する予定です」
1台のトラックに2つの部屋。庫内に前後1メートル移動する仕切りがあり、商品に合わせて5℃と18℃に温度設定が可能だ。18℃の部屋は、通年で外気との温度差がさほど大きくなく結露しない。食品のほか一般雑貨、日用品も混載し、一度に多くの種類の商品を運べる。その上商品の管理と荷積みが同じ場所でできるため効率がいい。輸送の品質を向上させるには車両の工夫も必要だ。
「全国のトラックショーにも参加しました。庫内の温度をマイナス40℃まで保てる車両を開発している業者もあります。そういったところと共同して発展していければ」
「従業員は宝」と言い切る来代さん。「みんなが気持ちよく働ける環境をつくることが、経営に携わる者の責任です。従業員に求めるのは、自分の頭で考えること。お客さまに喜んでもらうために、自分自身が成長するために何ができるのか。現場での発見や気づき、失敗が大きなチャンスです。振り返ったときに、成長できたなと一人ひとりに実感してほしい」
四国牛乳輸送のあるべき姿とは―。「やはり今後も食品輸送に特化していきたい。『四国牛乳輸送だったら任せられる』と言われることが目標。高齢化が進むと、食品の消費が少なくなってくるでしょう。そうなると輸送も影響を受けます。四国の市場だけで勝負するのでは、厳しい時代が来るかもしれません。長期的ビジョンを持つのと同時に、1年後の日本経済を的確に予測することが必要ですね」
現在社長を務めるのは、来代さんの父。「社長は知識が豊富で情報収集を欠かしません」。尊敬する背中を見つめながら、その目は日本全国をターゲットに捉えている。
5年前からトラックのデザインを一新した。
「優しい印象の緑を使い、子どもがアイスクリームを運んでいるイラストを採用しました。昔ながらの運送業のイメージを変えたいという気持ちがありましたね。かわいらしい印象的なロゴにすることで、知名度の向上にもつながれば。全国各地で『あのデザイン見たことある』という声を聞きたいですね」

| 所在地 | 高松市西ハゼ町55番地 TEL:087-866-1414 / FAX:087-866-1417 |
|---|---|
| 資本金 | 1560万円 |
| 従業員数 | 約200人(子会社含む) |
沿革
- 1956年 四国牛乳輸送株式会社として創設
- 1978年 高松営業所 開設
- 1990年 徳島営業所 開設
- 1998年 徳島冷蔵庫 庫内作業会社を(株)TLSとして分社化
- 2001年 コンビニセンター稼動
- 2011年 冷蔵庫を建設、稼動(11月)
高松第2営業所 開設(11月)
冷蔵庫業として子会社を設立(11月)
































