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潮流

2011年9月15日更新

潮流

「潮流」に初めて寄稿させて頂くことになりました。私の前任となります伊藤さんから引き継いで、ということになりますが、どうぞよろしくお願いします。

先日、友人からの誘いを受けて、小さなボートに乗り高松沖でヨットレースを観る機会を得ました。普段、サンポートの港から、あるいは、屋島や五色台の展望台から、陸を背にして望む海の景色は、大変素晴らしいわけですが、沖合にポツンとあって360度周囲に広がる光景は、また格別のものがあります。淡い青緑色の水が自らの周りを取り囲み、その先に点在する島々や陸の彼方に見える「おむすび山」の数々。備讃瀬戸が国立公園に指定されるわけです。

しかし、その美しい海の景色には見えていないものがあります。それが、自らを取り囲む潮の流れです。ボートから海水をどんなに凝視しても、表面的な動きである「波」と違う「潮」の流れは、なかなか分かりません。ただ、ヨットレースでもそうですが、船を進める上では、この潮の流れを知ることは重要です。例えば、自分が直進したいときに右から左に潮が流れていれば、目標点の方向に舳先を向けていても、潮で左に流されて、左に膨らんだ軌跡を描いて遠回りしてしまうことになります。もし真っ直ぐ進みたいのなら、潮の上流、つまり、この場合右の方を目指して進むことで、結果として船は直進することになるわけです。

ここ備讃瀬戸の潮流には、外海とは違った特徴があります。干潮から満潮にかけては、海水が徳島沖から流れ込み、西に向かって流れ、逆に満潮から干潮にかけては、海水が徳島沖に流れ出すため、今度は東に向かって流れるそうです。もっとも、これが備讃瀬戸の島々や半島を回りこんで流れるわけですから、実際の潮の流れはかなり複雑なものとなります。

この潮の流れは、昔からそう変わっていないはずです。自然を利用して生活していた昔の人は、潮流のように目には見えないものをもっと鋭敏に感じていたに違いありません。現代の人は、視覚に訴える様々な技術を進歩させましたが、その結果なのか、可視化されないものに鈍感になった気がします。目には見えないものをもう少し感じ取ろうとしても良いのかもしれません。

香川県総務部長 荒井 陽一

かがわ経済ナビとは

「かがわ経済ナビ」は、経済に詳しい専門家の方々に香川や四国の経済状況、新たな動き、今後の展望などを語っていただく「潮流」。
会計・税務・労務関係の基礎的知識をわかりやすく解説・提供する「指南」。
これらのコーナーで構成し、香川で働く人々のビジネスナビゲーターとして有益な情報を発信していきます。

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