2011年9月15日更新
高松高検の勝丸充啓検事長。1978年の東京地検入庁後、法務省の参事官や審議官、全国各地の検察庁で検事正などを歴任してきた。印象に残る出来事をあげてもらうのは決して容易なことではない。しかし、勝丸さんにはある。歴史が動いた瞬間―「ベルリンの壁、崩壊」だ。
1989年7月から3年間、在ドイツ日本国大使館でリーガルアタッシェ(法律を扱う外交官)を務めた。〝壁〟が崩壊したのは89年11月のことだ。「びっくりした、というのが正直な感想ですね」。その後、東西ドイツはわずか1年という急激な速さで統一された。「そもそも日本の憲法は明治時代にドイツから〝輸入〟したもの。法律でいうとドイツは日本の〝お兄さん〟なんです。ドイツがひとつになり、新たな国の法律が作られていく―〝国の形が変わる〟というのはこういうことか、と実感しましたね」
銃を持って巡回する兵士、そして異様な興奮状態に包まれた町・・・その光景は今なお脳裏に焼きついている。
座右の銘は「初心忘るべからず」。勝丸さんにとっての 〝初心〟とは―。「人の話をしっかり聞くことですかね」
1980年、ある事件を担当した。栃木で起きたホテル火災。死者は45人、ほとんどが高齢者だった。「遺族を訪ね歩きました。嘆き悲しむ人がほとんどでしたが、保険金や慰謝料を争う遺族もいれば、ホテル側の弁護士からは『被害者は逃げようとせず、自ら命を絶ったんだ』とまで言われてしまう。まさに『死人に口なし』です。でも、亡くなった人の無念さを誰かが伝えていかなければならない。死者の声、被害者の声に耳をすませる。それが私の原点―〝初心〟でしょうか・・・」
また勝丸さんは、その〝初心〟を別の言葉でも表現する。センターポジション―。少年時代夢中になったバドミントンの基本だ。「バドミントンは、打って出た後すぐにセンターに戻って体勢を整えなければならないんです。次の準備をして、もう一度自分を見つめ直す場所―。〝センターポジション〟と〝初心〟は通ずる部分があるかもしれないですね」
高校時代はキャプテンも務め、高3の夏には兵庫県大会のシングルスで優勝。インターハイにも出場した。「バドミントンは強い者が勝つ、番狂わせがほとんどない競技なんです。でももちろんそれだけではない。例えば長期戦に持ち込めば、技術の差を超えられることもあります。勝てそうもない相手に勝てた時の喜びはたまらないですよ」
日本の島々を紹介する「島へ。」という雑誌(海風舎・偶数月発行)がある。今年でちょうど創刊10年。「島へ。」を立ち上げたときのメンバーのひとりが勝丸さんだ。
「瀬戸内をもっと取り上げるよう言っておきます」
青い海と緑の島、おむすび山と呼ばれる背の低い山々・・・勝丸さんが大好きな風景がここにはたくさんある。
「検事というのは人間臭くてドロドロとした仕事が多いんですが、それら一切を忘れさせてくれる、リセットしてくれるんですよね」。瀬戸内の海、島、山・・・それは勝丸さんにとっての〝センターポジション〟かもしれない―
「〝人類が目指す究極の幸せな場所〟と言ってもいいんじゃないですか」。香川を、高松を、勝丸さんはこう表現する。「日本が世界に誇れるのは、清潔で、食べ物がおいしくて、安全なこと。それらが日本の中でも一番そろっているんじゃないかなぁ」。香川に来て約8カ月。仕事柄、各地を転々としているが、「一番多くの友だちができたのはこの街かもしれない」と勝丸さんは話す。そして最後にこう加えた。「これほど暮らしやすい場所はないですね。〝外から来たお客さん〟じゃなく、早く〝本当の市民〟になって、この街の人と付き合っていきたいんですよね」
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単身赴任、あるいは転勤は何度目ですか?
4度目の単身赴任です。
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香川県に来てどの位になりますか?
8カ月余りです。
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家族のところには月何回帰りますか?
ほとんど帰りません。
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香川県に来て始めたことはありますか?
それは何ですか?うどんの食べ歩き、栗林公園の毎朝散歩。
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週何回うどんを食べていますか?
3~4回です。
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週何回飲みにいきますか?
3回位です。
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体にいいことを何かしていますか?
それは何ですか?栗林公園の毎朝散歩です。
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香川県でおすすめの場所はどこですか?
直島、紫雲出山。
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休日はどのように過ごしていますか?
低山登山、または島巡り。
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最後に香川県の印象を教えて下さい。
日本で一番素晴らしいところ。
究極の生活を楽しめるところだと思います。
- 1951年10月10日 大阪市生まれ
- 1974年 3月 東京大学法学部卒業
- 1976年 4月 司法修習生
- 2000年 6月 法務省刑事局刑事課長
- 2001年 6月 法務省刑事局総務課長
- 2003年 1月 法務省大臣官房会計課長
- 2005年 4月 法務省大臣官房審議官
- 2005年12月 福井地方検察庁検事正
- 2007年 6月 水戸地方検察庁検事正
- 2008年10月 さいたま地方検察庁検事正
- 2010年 1月 最高検察庁公安部長
- 2010年 12月 高松高等検察庁検事長
- 現在に至る
「It’s me!それは私です」は、香川の支店経済を支えている方々にご登場いただき、ビジネスタイムではなかなか見せることのないもう一つの顔を少しばかりご披露していただきます。
プライベートにおける意外な趣味が、ビジネスでときおり垣間見せるその人柄の源になっているかもしれませんよ。

































