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動向リサーチ

2011年10月6日更新

銀行117行 2011年3月期単独決算ベース 中小企業等貸出金残高調査

~前年同期比0.7%減 4年連続減少~
本調査は、銀行117行を対象に、2011年3月期単独決算ベースの中小企業等貸出金残高を調べた。なお信託銀行4行と三井住友銀行、りそな銀行、沖縄銀行は信託勘定を含む。

銀行117行の2011年3月期単独決算ベースの中小企業等貸出金残高は、全体としては4年連続で前年同期を下回った。業態別では、大手銀行に対して地銀・第二地銀で貸出金の増加が目立った。

【注】「中小企業等」とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5000万円)以下の会社または常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の会社および個人のこと。

中小企業等貸出金残高 前年同期比0.7%減

銀行117行の11年3月期単独決算ベースの中小企業等貸出金残高は、前年同期比0.7%減(同2兆1947億8400万円減)の289兆5001億5100万円となった。

銀行117行の単独決算ベースの総貸出金残高が同0.9%減(同3兆8898億6800万円減)と低迷するなかで、中小企業等貸出金残高も4年連続で前年同期を下回った。

前年同期より減少行が過半数

前年同期比の増減額では、117行のうち60行(構成比51.2%)で貸出金残高を減らした。減少額が最も大きかったのは、三菱東京UFJ銀行の1兆4536億9400万円減だった。次に三井住友銀行6435億2000万円減、新生銀行4300億4300万円減と続き、減少額100億円以上は38行(前年同期56行)となった。

これに対して貸出金残高の増加行は57行(構成比48.7%)となり、前年同期比の増加額では、静岡銀行の2637億8100万円増を筆頭にして、千葉銀行1778億9300万円増、福岡銀行1188億3100万円増、群馬銀行1125億4400万円増、横浜銀行1009億1900万円増となり、地銀の有力行が顔を揃えた。増加額の100億円以上は38行(前年同期32行)だった。また前年同期比の減少率では、新生銀行15.2%減、あおぞら銀行8.0%減、福井銀行6.6%減、長野銀行5.6%減、福邦銀行5.0%減の順。これに対して増加率は、西京銀行10.9%増、静岡銀行5.5%増、豊和銀行5.4%増、東京スター銀行5.0%増の順だった。

中小企業等の貸出金比率 前年同期より上昇

総貸出金に占める中小企業等貸出金比率は、11年3月期単独決算ベースで平均68.6%となり、前年同期(68.5%)より0.1ポイント上昇した。

個別では、スルガ銀行の94.8%がトップ。次に大正銀行93.6%、関西アーバン銀行92.8%、近畿大阪銀行92.5%、静岡中央銀行92.0%、南日本銀行91.4%、福岡中央銀行90.8%、阿波銀行90.0%と続く。これに対して貸出金比率が低かったのは、みずほコーポレート銀行37.4%、みずほ信託銀行41.7%、三菱UFJ信託銀行45.6%、住友信託銀行48.4%、青森銀行53.5%、岩手銀行54.2%の順。

地銀と第二地銀の過半数で中小企業等貸出金が増加

業態別では、地銀63行が前年同期比0.6%増の111兆7213億4100万円。第二地銀42行が同0.5%増の35兆3420億6800万円。大手他12行が同2.1%減の142兆4367億4200万円だった。

内訳をみると地銀63行では、増加が33行(構成比52.3%)、減少が30行となった。また第二地銀42行は、増加が21行(同50.0%)、減少が21行となり、地銀と第二地銀を合計すると増加行が過半数(51.4%)を占めた。これに対して大手他12行は、増加が3行、減少が9行となり、大手他の減少が全体の伸びを抑制した。

地区別、10地区のうち6地区で前年同期を下回る

本店所在地の地区別では、全国10地区のうち6地区で前年同期を下回った。減少率は東京13行の2.4%減を筆頭にして、次に北海道2行が1.6%減、北陸6行1.3%減、四国8行0.8%減、中国9行0.6%減、近畿12行0.1%減の順。これに対して増加は、中部15行2.2%増、関東(東京を除く)19行1.1%増、九州20行1.0%増、東北13行0.02%増の4地区だった。

内訳では北海道(増加行0、減少行2)、東北(増加行7、減少行6)、関東(増加行11、減少行8)、東京(増加行3、減少行10)、中部(増加行9、減少行6)、北陸(増加行2、減少行4)、近畿(増加行7、減少行5)、中国(増加行2、減少行7)、四国(増加行2、減少行6)、九州(増加行14、減少行6)だった。東北、関東(東京を除く)、中部、近畿、九州で増加行が減少行を上回った。



銀行117行の中小企業等の貸出金残高は、4年連続で前年同期を下回った。これは依然として企業サイドの資金需要低迷と、銀行サイドの慎重な貸出姿勢が影響した。こうしたなか3月の東日本大震災の発生で、売上減少や企業間信用の低下などに対応した一部企業による資金確保の動きや、緊急融資の実施により地元に密着した地銀・第二地銀では、貸し出しを増やすところもあった。

今後は復興事業に伴ない資金需要の高まりが期待される一方で、震災の影響による企業マインドの悪化も懸念されている。このため銀行の中小企業への貸し出しが減少傾向から反転するには、まだ時間を要するものとみられる。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

動向リサーチとは

「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。

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