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動向リサーチ

2011年12月1日更新

地銀、第二地銀81行 連結決算ベース 製造業・建設業向け四半期別貸出金残高調査

~建設業向けが調査開始以来、最低水準に落ち込む~

震災発生後の主な地銀、第二地銀の2011年6月末の製造業向け貸出しは前年同期比で微増となったが、建設業向けは調査開始以来、最低水準に落ち込んだ。

本調査は、四半期ごとの業種別貸出状況が確認できた地銀、第二地銀81行を対象に11年6月末時点の連結決算ベースの製造業と建設業向け国内貸出金残高を調べた。地域経済に密着した地銀、第二地銀に対象を絞り、リーマン・ショック前の08年3月末から東日本大震災発生後の11年6月末までの貸出金動向を四半期ごとに調査した。なお、沖縄銀行は信託勘定を含み、09年度から四半期別報告書を作成した銀行や、持株会社の傘下銀行など個別の四半期別データを公開資料で確認できなかった銀行は対象に含まれていない。

地銀、第二地銀81行 総貸出金残高は2.2%増

地銀、第二地銀81行の11年6月末の連結決算ベースの総貸出金残高は、前年同期比2.2%増(3兆2855億4200万円増)の151兆9620億4900万円と前年同期を上回った。

これは、震災後の緊急融資や震災による売上減に備えて、一部企業の手元資金を厚くする動きを反映したものとみられる。

製造業向け貸出金残高 前年同期比0.1%増

地銀、第二地銀81行の11年6月末の連結決算ベースの製造業向け貸出金残高は、前年同期比0.1%増(299億5200万円増)の19兆4490億300万円だった。

四半期別でみると、「景気対応緊急保証制度」開始直後の08年12月末に20兆円を上回り、その後20兆円台で推移していたが、10年3月末以降は20兆円を割り込んでいる。設備投資など前向きな資金需要の低迷が影響した。

製造業向け貸出金 約6割の銀行で減少

前年同期比の製造業向け貸出金残高が減少した銀行は47行(構成比58.0%)だった。全体では前年同期より微増したが、個別では減少行が約6割を占めた。個別の減少額トップは、静岡銀行の382億9600万円減。次に中国銀行が285億1700万円減、群馬銀行が272億5500万円減、みなと銀行が174億1000万円減、大分銀行が154億9400万円減の順。これに対して増加行は34行(構成比41.9%)だった。増加行では十六銀行が754億9400万円増、七十七銀行が323億3200万円増、伊予銀行が223億7100万円増の順だった。

製造業向け貸出比率 低水準が続く

地銀、第二地銀81行の11年6月末の連結決算ベースの製造業向け貸出比率は、前年同期比0.2ポイント低下の12.8%となった。

四半期別でみると、「景気対応緊急保証制度」開始以降の08年12月末(13.4%)から13%台が続いた。しかし11年3月末は、08年9月末(12.5%)以来、10四半期ぶりに13%台を割り込み、低い水準が続いている。

建設業向け貸出金残高 調査開始以来の最低水準

地銀、第二地銀81行の11年6月末の連結決算ベースの建設業向け貸出金残高は、前年同期比2.4%減(1592億5700万円減)の6兆4294億1000万円となった。

四半期別でみると、「景気対応緊急保証制度」開始直後の08年12月末は、直近の08年9月末より3712億9000万円増の7兆6281億4300万円に達した。しかし、09年6月末以降は7兆5000億円を下回る水準で、10年6月末以降は7兆円も割り込み、11年6月末は調査開始以来、最低水準に落ち込んだ。これは公共事業の減少など建設市場全体の縮小が影響した。

建設業向け貸出金 約7割の銀行が減少

前年同期比の建設業向け貸出金残高が減少した銀行は55行(構成比67.9%)で、全体の約7割を占めた。個別の減少額トップは、八十二銀行の159億7200万円減。次に常陽銀行が148億6700万円減、西日本シティ銀行が113億4000万円減、関西アーバン銀行が106億9700万円減の順。これに対して増加行は26行(構成比32.0%)だった。増加行は横浜銀行が99億1900万円増、静岡銀行が77億1700万円増、愛知銀行が66億5300万円増と続く。

建設業向け貸出比率 前年同期比0.2ポイント低下

地銀、第二地銀81行の11年6月末の連結決算ベースの建設業向け貸出比率は、前年同期比0.2ポイント低下の4.2%となった。

四半期別でみると、08年12月末5.0%、09年3月末5.0%、09年6月末4.7%、09年9月末4.8%、09年12月末4.8%、10年3月末4.7%、10年6月末4.4%、10年9月末4.4%、10年12月末4.5%だった。建設業向け貸出比率は、「景気対応緊急保証制度」開始直後の08年12月末は5%台に上昇したが、09年6月末以降は5%を下回っている。

地銀、第二地銀の11年6月末の総貸出しは、震災の影響で一部企業での運転資金需要もあって減少傾向が底打ちをみせたが、設備投資など前向きな資金需要は乏しいとみられる。

製造業は、国の震災復興計画の構想などが遅れ、本格的な投資拡大に踏み込めない側面がある。また、建設業向け貸出しの低迷は、「受注工事が担保」といわれるなか、担保となる工事自体の減少が背景にあるとの見方もできる。建設業は、今後の本格化する復興事業に期待がかかる一方で、政策支援の息切れも懸念される。さらに、資材や人件費の上昇もあって、苦境が続く建設業向けの貸出しが増加に転じるには、まだ時間がかかるとみられる。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

動向リサーチとは

「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。

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