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指南

2012年1月19日更新

法人税改正(2)課税ベースの拡大

2011年度税制改正は昨年度の臨時国会で成立し、法人税関連では税率の引き下げ(前回記載)とともに課税ベースを拡大する内容が含まれています。以下、主な改正内容を説明していきます。

1. 減価償却制度の見直し

定率法の償却率について、定額法の2.5倍とする250%定率法から、200%定率法に変更されます。すなわち、耐用年数5年の場合、従来は1÷5年×250%=0.50でしたが、改正では1÷5年×200%=0.40となります。

例えば、1千万円の大型トラック(貨物運送業用)を期首に取得した場合は、年間償却額は400万円となり、従来償却率での500万円から100万円減少することになります。12年4月1日以降に取得する減価償却資産について適用されます。

なお、定率法償却率の変更には二つの経過措置がありますので注意が必要です。

その1(新規取得について)は、 12年4月1日をまたぐ事業年度においては、その事業年度末までに取得した資産については改正前の250%定率法での償却率が適用できます。例えば、13年2月決算であれば、13年2月に取得した資産は250%定率法償却率が適用できます。

その2(既存資産について)は、既存の250%定率法適用資産について、残存耐用年数を耐用年数とした200%定率法償却率へ変更が可能です。変更のためには12年4月1日以降最初に終了する事業年度の申告期限までに届出が必要です。この措置は200%定率法へ変更しても当初の耐用年数内で償却が終了できるようにするためですが、変更年度以降の減価償却額に増減が生じますので、変更年度での減価償却額の増加(又は減少)の影響額には留意が必要になります。例えば、当初耐用年数10年の250%定率法の償却率は0.250ですが、1年経過の残存年数9年の200%定率法へ変更する場合は償却率0.222となり、減価償却額は減少します。逆に3年経過の残存7年の200%定率法へ変更する場合は償却率0.286となり、減価償却額は増加します。ただし、この経過措置は法人ごとの適用ですので、法人全体でどうなるかは、保有する250%定率法償却資産の構成(耐用年数、経過年数、帳簿価額等)により異なり一概には言えません。

2. 欠損金の繰越控除の見直し

【1】控除限度額の制限

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度については、繰越控除をする事業年度の繰越控除前の所得金額の8割とする制限が付きます。例えば、青色繰越欠損金が1億円あり、欠損金控除前の所得が同じ1億円である場合に、従来は課税所得がゼロとなりましたが、今後は8割の8千万円が損金算入され、2千万円は課税所得となります。損金算入されなかった2千万円については翌年度以降に繰り越されます。12年4月1日以降開始する事業年度から適用されます。なお、資本金の額等が1億円以下の中小法人や公益法人等は対象外ですので従来どおり全額控除できます。

【2】繰越期間の延長

繰越期間が7年から9年に延長されます。08年度4月1日以降に終了した事業年度で生じた欠損金額について適用されます。なお、繰越期間の延長は中小法人等も対象ですので、9年に延長されます。

3. 貸倒引当金制度の見直し

大企業等の貸倒引当金制度は3年の経過期間を経て廃止となります。なお、中小企業等は従来どおり貸倒引当金制度は残ります。

4. 寄付金の損金算入限度額の引き下げ

一般寄付金の損金算入限度額が半分になります。すなわち、従来資本金等の0.25%と所得金額の2.5%の合計額の2分の1だったのが、4分の1に引き下げられました。

5. 研究開発税制

試験研究費の総額に係る税額控除(試験研究費の総額×税額控除割合(8~10%、中小企業者は12%))の限度額が、平成24年4月1日以降開始する事業年度から、法人税額の30%から20%に戻ります。

6. エネルギー需給構造改革推進投資促進税制(エネ革税制)の廃止

太陽光発電装置などのエネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合に基準取得価額の30%の特別償却(中小企業者等については基準取得価額の7%の税額控除の選択適用あり)が認められており、特に平成21年4月1日から平成24年3月31日までの取得については即時償却(取得価格の全額償却)が認められていますが、平成24年3月31日をもって廃止されます。

これは、平成23年度税制改正として平成23年6月30日に施行された環境関連投資促進税制「グリーン投資減税」の創設により、エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得し1年以内に国内で事業の用に供した場合に取得価額の30%の特別償却が認められる税制が導入されたためです。

大西 均総合経営研究所 公認会計士・税理士 大西 均

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