2012年2月2日更新
~「震災関連」倒産が550件
「阪神・淡路大震災」時の約4倍ペース ~
「東日本大震災」関連倒産は、12月に66件発生した。3カ月ぶりに60件台に上昇し、1月12日現在で累計550件に達した。「震災」関連倒産は依然として「阪神・淡路大震災」時の約4倍のハイペースで推移している。
【震災関連の集計基準】
「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。
- 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
- 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
- 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
※集計では、すでに震災前に再建型の法的手続きを申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続きに移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
※「震災関連」の経営破綻は次の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。
【倒産の定義】
(対象:負債額1千万円以上の法人および個人企業)
- A. 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
- B. 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
- C. 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)
2011年12月の主な倒産事例では、海外向けにモーター部品、金型等の機構部品などを輸出入していた世江商亊(株)(東京都豊島区)は、円高など厳しい環境で低収益な経営が続いていたところに、震災の影響で売上が停滞した。さらにタイの洪水で販売先が被災し売上急減に拍車がかかり破産を申請した。震災とタイ洪水がダブルパンチとなった事例である。また水産物加工の(株)マルハラフーズ(千葉県銚子市)は、海水温度上昇からサンマの収穫が北海道に集中し仕入値が上昇していた。さらに震災発生で魚が入手しにくくなり、風評被害による販売量減少も加わり経営維持に支障を来たし破産を申請した。こうした食品の風評被害の倒産は今後も増加する可能性がある。
1月12日現在、震災関連倒産は累計550件にのぼった。1995年1月に発生した「阪神・淡路大震災」の関連倒産は震災から11カ月目(月次ベース)の累計が138件だったのと比べて、約4倍のハイペースが続いている。このほか、現時点で「倒産」に集計されない事業停止や、破産など法的手続きの準備を進めている「実質破綻」が32件あり、1月12日現在で倒産と実質破綻を合わせた「経営破綻」は582件に達した。震災関連倒産は、発生ペースが一段落した感があったが、2011年末にかけて「実質破綻」状態から倒産が確定する企業が増加するなどで、再び増勢に転じており、今後も震災関連の動向から目を離せない。
震災関連倒産の累計550件の都道府県別では、最多が東京の131件。次いで北海道38件、岩手29件、大阪と福岡が各28件、福島24件、静岡と愛知が各22件と続く。直接被害を受けた東北6県の倒産件数は90件(構成比16・3%)だった。
産業別では、製造業が130件で最多だった。次に宿泊業・飲食店などを含むサービス業他が129件、卸売業が96件、建設業が94件、小売業が39件と続く。
被災状況では「間接型」被害が510件(構成比92.7%)に対し「直接型」被害が40件(同7.2%)と約1割だった。ただし11年12月の被災状況では「直接型」被害が6件発生し、11年7月(7件)に次ぐ件数となった。今後も直接の被災地である東北地区を中心に増加が懸念される。
「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。



























