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指南

2012年2月16日更新

消費税・仕入税額控除に要注意―課税売上5億円を超える事業者の場合―

2011年度の消費税改正により、消費税の益税の一つと指摘されてきた「95%ルール」(課税売上割合が95%以上の場合には、仕入税額控除において課税仕入れに係る消費税(地方消費税を含む)の全額が控除できるとした基準)の適用において制限が付きました。すなわち、12年4月1日以降開始する課税期間から、課税売上5億円を超える事業者は「95%ルール」が適用されません。したがって、課税売上5億円を超える事業者は、仕入税額控除額の算出は「個別対応方式」または「一括比例配分方式」により計算する必要があります。

1.個別対応方式と一括比例配分方式の相違点

 課税売上割合95%の場合を例示して説明します。

【1】個別対応方式は課税仕入れを次のように区分し、仕入税額控除を計算

個別対応方式は、課税仕入れを上記の様に明確に区分して集計しておく必要があります。

【2】一括比例配分方式は課税仕入れに係る消費税額合計額に課税売上割合を乗じて計算

一括比例配分方式は2年間以上継続適用しなければ個別対応方式への変更ができませんので注意が必要です。

2.非課税売上の留意点

主たる取扱商品やサービスの全てが課税売上である事業者でも、社宅の家賃を役員や従業員から徴収している場合、遊休地の一部を賃貸し地代を得ている場合、預貯金の受取利息がある場合などは、これらは非課税売上であるため、課税売上割合が100%未満となります。したがって、課税仕入れを区分せずに経理処理していた場合には、個別対応方式は採用できずに一括比例配分方式となり、課税仕入れに係る消費税の一部が仕入税額控除できなくなる場合があります。

【1】課税仕入れ区分の必要性

12年4月1日以降開始する課税年度からの適用ですので、課税売上5億円超の事業者は、個別対応方式と一括比例配分方式の有利不利を事前に判定し、対応しておく必要があります。特に個別対応方式での課税仕入れの区分処理については、経理処理上の対応が必要になります。

【2】非課税売上の正確な把握の必要性

受取利息を税引後の金額で処理している場合は、税引前の総額で計上するのが原則です。また、借上げ社宅の場合に従業員からの受取家賃を業者への支払い家賃と相殺処理している場合は、両建て処理するのが原則です。

この他に、臨時的に有価証券の売却や土地の売却がある場合には、一般的に個別対応方式が有利となります。

大西 均総合経営研究所 公認会計士・税理士 大西 均

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