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動向リサーチ

2012年2月16日更新

2011年(1~12月)小売業の倒産

~ 件数は3年連続で減少、震災関連は39件発生 ~

2011年(1~12月)の小売業の倒産は、1489件(前年比1.7%減)と3年連続で前年を下回った。地区別では9地区のうち、北海道・東北・関東・近畿・四国の5地区で減少した。これに対し負債総額は2095億3千万円(同4.1%増)と08年以来、3年ぶりに増加した。

デフレ浸透に伴う価格競争の激しさを反映、「赤字累積」(同4.8%増)が増加し、「販売不振」も1234件(構成比82.8%)と高止まりした。

倒産件数 前年比1.7%減

11年の小売業の倒産件数は、1489件(前年比1.7%減)だった。08年(1842件)を境に減少に転じ、3年連続で減少した。08年10月開始の緊急保証制度(後に景気対応緊急保証制度に名称変更)や09年12月施行の中小企業金融円滑化法などの効果もあり、1990年(1210件)以来の低水準となった。

負債総額は、2095億3千万円(同4.1%増)と増加に転じた。負債100億円以上は1件(前年1件)、10億円以上は35件(同37件)と減少したが、5億円以上10億円未満が40件(同32件)に増加し、中堅規模で負債を押し上げた。


※画像をクリックすると拡大表示します。

自動車小売業が184件で最多

業種小分類では、自動車小売が184件で最多。次いで、花・植木小売、ジュエリー製品小売など「他に分類されない小売」が183件、コンビニエンスストアなどの「その他の飲食料品小売」が109件、婦人・子供服小売が104件、各種食料品小売が98件の順。

「東日本大震災」関連の倒産では、婦人服小売が4件で最多。次いで、ガソリンスタンド、他に分類されない小売、中古自動車小売が各3件、家具小売、料理品小売、医薬品小売(調剤薬局を除く)、各種食料品小売が各2件など。

スーパーは2年連続増 コンビニは2年連続減

スーパーの倒産は66件(前年比13.7%増)で、2009年の48件を底に、2年連続で増加した。一方、コンビニエンスストアは29件(同3.3%減)で、09年の46件をピークに2年連続で減少した。スーパーは、大手との競合で地場中堅の苦境が目立つが、コンビニエンスストアは震災以降、高齢者や主婦などからも利便性が見直され、新たな顧客層を取り込むなど好対照の結果となった。

法的倒産が全体の8割を占める

倒産形態別では、破産が1180件(前年比4.5%増、前年1129件)と前年を上回った。一方、民事再生法は51件(前年61件)、特別清算は25件(同30件)といずれも減少したが、法的倒産は1256件(前年比2.9%増)と全体の8割(84.3%)を占めた。

破産だけが前年を上回り、厳しい業況下での再建の難しさがうかがわれる。

西日本で倒産件数は増加

地区別では、9地区のうち5地区で前年件数を下回った。一方、増加したのは中国(前年比66.0%増)、北陸(同50.0%増)、中部(同30.2%増)、九州(同12.9%増)の4地区。

東日本大震災の「関連倒産」は、関東11件(構成比28.2%)、東北9件(同23.0%)、九州7件(同17.9%)、近畿5件(同12.8%)、北海道、北陸が各2件(同5.1%)、中部、中国、四国が各1件(同2.5%)と、ほぼ全国で発生した。

11年の小売業の倒産は前年比1.7%の微減で、製造業(前年比9.2%減)や卸売業(同5.8%減)、建設業(同3.7%減)などに比べ減少率は低かった。

デフレ経済の下、円高が価格競争に追い討ちをかける状況も生じ、小売業界を取り巻く環境は厳しさを増している。復興特需の恩恵が全国的に浸透するか未知数である。個人消費の低迷から抜け出せず、潜在的に業績不振の業者が多い小売業界の倒産動向には、まだ注意が必要だろう。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

動向リサーチとは

「動向リサーチ」は、東京商工リサーチがまとめる詳細な情報データに基づき、株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長・竹 茂和さんが香川の経済動向を鋭く分析します。

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