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目からうろこ!BKゼミ

2012年5月3日更新

組織変革のマネジメントー 1 企業文化の影響力(前編)

組織は経営の根幹をなすものであり、いつの時代もその重要性は変わらない。また、組織の外部環境は常に変化し続けるものであり、それに対応するために組織は常に変わり続けなければならない。したがって、組織変革はあらゆる組織における永遠の重要課題とも言える。本コラムでは4回にわたり、最新の理論と事例を踏まえ、組織変革を考える上での大切な視点をご紹介したい。

まず、企業が存続し続けるには、1つの条件があることを確認しておきたい。それは企業が提供するサービスや製品が外部環境のニーズと適合していることだ。適合の度合いが高ければ、顧客は満足感を高め、リピーターとなり次の仕事へとつながっていく。

では、企業が提供するサービスや製品の質を決めるものは何だろうか。次の図をみてもらいたい。ここには企業が提供する価値を生み出す様々な要因が並べてある。

組織変革とは、これらの要因を変えていくことに他ならない。これらの要因は、変革のしやすさの順に並べてある。上にある要因ほど変えにくく、下にある要因ほど変えやすい。

それはなぜか。2つの理由がある。1つは可視性、もう1つは持続性だ。顧客からすれば最も見えやすいのは従業員の行動である。お店での気持ちのよい挨拶や丁寧な対応などは可視性が高く、チェックすれば比較的変えやすい。一方、見えにくいものは自覚されにくく変えにくい。もう1つは持続性だ。長い間、持続してきたもの程、すっかり馴染んでしまって、変えにくくなる。変えようとすると心理的抵抗が働く。

企業文化は見えにくいものの代表だ。企業文化とは、組織内で共有された価値観や信念、規範などである。これらは、人の想いの部分であるために見えにくい。つまり可視性が低い。もちろん、企業文化を明文化して、朝礼等で唱和するなど見えにくいものを可視化する努力は可能だ。しかし、多くの努力が必要だという点でやはり可視性が高いわけではない。

企業文化は目に見えないが、従業員同士の関わり方や思考に影響を与え、やがて行動にも影響を与える強力な要因である。一方、従業員にも経営者自身にも気づかれにくく放置されやすい要因である。

文化は直接的でない形で、しかも長期的に企業の提供するサービスや製品のあり方に影響を及ぼす。1つの例として、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の頭痛薬、タイレノール事件を紹介しておきたい。この事件は、同社の消費者に対する誠実な姿勢の表れとして、後に同社の評価をさらに高めることにつながった。

何者かによってタイレノールに毒物が混入されたという通報がジョンソン・エンド・ジョンソン社に入ったのは、1982年9月30日。ジョンソン・エンド・ジョンソン社は、直ちに全米の店頭からタイレノールの引きあげを決定、同時に情報をマスコミに公開し、消費者への電話窓口を開設するなど可能な限りの対応策を行った。TVや新聞を利用した積極的な情報発信の数量は、JFKの暗殺事件報道にも匹敵すると言われ、全国民の85%以上が計2回以上目に触れるものであったという。

この他、ジョンソン・エンド・ジョンソン社は、毒物混入を防ぐ新パッケージの開発、営業部隊による医師に対する100万回を超えるプレゼンテーションの実施など迅速かつ誠実な対応を続けた。結果、事件の2カ月後には売り上げを以前の80%にまで回復し、苦境をバネに消費者からさらに強固な信頼を勝ち得たのである。

では、こうした包括的な対応が迅速に実現できたのは何故だったのだろうか。それはジョンソン・エンド・ジョンソン社の企業理念「我が信条」が全従業員に深く根づいており、我が信条の第一の責任である「顧客への責任」を経営者から従業員までが一丸となって実現しようとしたからである。「我が信条」は、同社において最も重要な意思決定基準とされ、ことあるごとに組織内で話題にされ、その信条に沿った仕事のあり方かどうかが問われ、今も全従業員がこれを判断基準として仕事をしているのである。

先ほどの図の中で、見えやすい下の部分は変革が容易だと述べた。しかし、この部分は他社もすぐに真似を出来るため、長期的な競争力にはつながりにくい。一方、企業の文化は見えにくく変えにくい。だからこそ他社が簡単に真似することが出来ない部分であり、特に長期的な企業業績に影響を及ぼすのである。

香川大学大学院地域マネジメント研究科 教授 八木 陽一郎

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