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目からうろこ!BKゼミ

2012年5月17日更新

組織変革のマネジメントー 2 企業文化の影響力(後編)

組織の文化は目に見えにくく、持続性が高いということを前回の本コラムで述べた。しかし、だからこそ優れた企業文化は模倣されにくく、企業にとっては競争優位の源泉になりやすい。

ハーバード大学のコッター教授とヘスケット教授は、このことを207社の企業データを用い、11年という長期間の比較を通じて実証した。彼らの研究によれば、外部環境に対する適応度が高く、規範と行動の間に一貫性のある強い企業文化を持つ企業とそうでない企業の平均を比較した場合、次の表に見られる大きな差が生じていた。

11年という長期の時間幅で見ると企業文化の持つ影響力がいかに大きいかがよくわかる。では何故これほどまでに企業文化が大きな影響力を持つのだろうか。それは、企業文化が企業で働く人々同士の関係性や信念などに強い影響を及ぼし、それらが行動に影響を及ぼし、行動が結果に影響を及ぼすからである。

行動は目につきやすいので、変えやすい性質を持っている。しかし実際のところ、ある種の行動はそう簡単には変えられない。ある種の行動とは、利他的な行動や創造的な行動、自発的な行動などである。例えば、自発的な行動は他者が強要しても決して引き出せるものではない。もしそれが可能だとしたらそれは自発的な行動とは言えず、強いて言えば他発的な行動である。

しかし、企業文化のように目に見えにくいものはいつの間にか人々の心に染み込み、こうした変えにくいレベルの行動にまで強い影響を及ぼすことが可能なのである。今、多くの企業に求められているのは、より創造的で自発的で利他的な行動をする社員であろう。しかし、それらは大抵の場合、経営者が強要しようとすればする程、皮肉なことに表面的になるか、減少することが多いものである。

「文化が大切なのはわかった。では一体どうやって優れた文化を生み出せるのか?」という声がそろそろ聞こえてきそうである。答えを急ぐことなく、まずは優れた文化について考えてみたい。

実のところ、何が優れた文化なのかという問いには正解が無い。ある企業が優れた企業文化によって成功をおさめたとしよう。成功体験によって、その文化は、その企業の中で成功の要因として重視され、強化されることになるだろう。しかし、ある環境の下では成功につながった文化でも環境が大きく変化した場合、足かせになることもありえる。文化は、人々の考え方やものの見方、行動のあり方にまで強い影響を及ぼす。つまり、視野に一定の制限をかけるようなものである。環境が変われば、新たなチャンスを求めて、今迄には見えていなかった新しいものの見方をしなければならない時もある。けれども、過去の成功と強く結びついた文化はそういうものの見方をすることを阻む方向に作用するのだ。

したがって、過去において優れた文化であっても未来にわたって永遠に優れた文化であり続けられるとは限らない。このことが、優れた文化に正解は無いという理由である。環境が変わればより優れた文化が何かを問い直し、変化しなければならない。

では、正解は無いということを前提に置きながらも、よりよい企業文化を考える上での視点を2つ挙げておきたい。

1つ目は、自社の歴史を紐解き、どのように自社の文化が形成されてきたかを明らかにすることである。成功体験は何か、従業員が輝いた仕事は何であったか、苦しい時にどのように乗り越えてきたか、創業者をはじめ歴代の経営者が何を大切にしてきたか、こうしたことを調べながら、これからの自社のビジョンに照らし合わせて、自社の文化でこれからも大切にしていきたい優れた部分を探求する視点である。

もう1つは、今の時代や環境が自社に求めている企業のあり方は何かを考えるアプローチである。自社の過去のいきさつや歴史にとらわれること無く、仮にどんな組織にでも生まれ変われるとしたらどのように変化すべきかを考えるのだ。先進的な企業事例や失敗した企業事例を調べたり、大きな時代の変化を捉えたりする必要がある。そのような大きな枠の中に自社を位置づけ、企業としてのありたい姿とそのような企業が備えているべき文化は何かを検討する視点である。

次回の本コラムでは、従業員の主体性と創造性を引き出す企業文化の育み方についてご紹介する。

香川大学大学院地域マネジメント研究科 教授 八木 陽一郎

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「目からうろこ!BKセミナー」は、香川大学とビジネス香川のコラボレーション企画です。経営に役立つ専門知識や実践的戦略の具体的な実例、教育・研究の最前線等を紹介し、読者の皆様に新たな視点を提供していくことを目指しています。



讃岐を歩く

寒霞渓と並ぶ小豆島の景勝地、銚子渓。この渓谷にある「自然動物園 お猿の国」では、約500匹の猿が戯れる。子猿の愛くるしい表情がなんとも言えない。冬の風物詩「猿団子」も見ものだ。

Photo:T.Nakamura

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