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さぬき美探訪

2016年7月7日更新

讃岐民芸とJETRO収集海外優秀商品

輸出促進と意匠改善が急務とされた高度経済成長期の昭和35年(1960年)、日本手工芸品対米輸出推進計画(マル手事業)がはじまると、アメリカ人デザイナーと通産省意匠部長らが全国各県をまわり、アメリカ内示会出品候補商品を選定した。その報告書では、全国各県の手工芸品のデザイン評価がされ、香川県については特に漆器・木工品・家具などに高い評価が与えられ、総評として次のように記されている。

他の県と比べて、香川県が手工芸品のデザインやその向上性の点で最も優れており、恐らく全国的に見ても一番であろうと思われることは特筆すべきことと言わなければならない。(中略)上は県庁のトップクラスから、下は最も小さな製造業者に至るまで、デザインは、県の物産の販路を広げる大きな要素であると考えている。一般的に言って、全国各県の指導当局者、デザイナー、工芸家兼製造業者で、デザイン知識の向上に心がけている者はすべて、高松市にある香川県のショールームを訪れ、そこにある商品を直接に見ることを、勧めたい。

[日本手工芸品対米輸出本部『昭和35年度日本手工芸品対米輸出推進計画報告書』1961]

そのころ、県知事金子正則は和田邦坊らに郷土の民芸品を収集させた。昭和40年(1965年)に栗林公園に開館した讃岐民芸館(古民芸館)にはその後、新民芸館1号館、2号館(家具館)が整備されたが、金子は香川の新しい産業工芸品の創造のためには、地場の風土のなかで生み出された古民芸に学ぶ必要があり、また新たに生み出された新民芸を紹介・販売する場(新民芸館)が必要であると考えた。「古民芸に学び新民芸(新しい工芸品)を創出し地場産業を振興する」ための民芸館整備だった。

また、昭和44年には県技術開発センター木工指導所(現県産業技術センター)に、JETRO(日本貿易振興会)が欧米を中心とする海外から収集し意匠改善や輸出振興のために全国巡回した約3万点の商品のうち約2千点が受け入れられ、同センターデザイン資料室に展示された。金子は古民芸に学ぶとともに、海外の優れたデザイン商品にも学ぼうとしたのである。このJETRO収集の海外優秀商品は、繊維製品や雑貨(厨房用品・玩具・陶磁器・ガラス製品・木工品・琺瑯ほうろう鉄器・プラスチック製品・文房具など)、家具、軽機械などからなり、本県をはじめとする全国の高度経済成長期の地場産業や手工業に影響を与えた。香川の産業デザイン発展期の両輪を担ったこのJETRO収集海外優秀商品(欧米の日常生活用品)や栗林公園の古民芸品の、今なお色あせぬ素敵なデザインを楽しんでいただくとともに、デザインで生活を豊かにしようとした他県に例を見ない当時の香川県のこころみにも注目していただきたいと思う。

海外優秀作品

海外優秀作品

瀬戸内海歴史民俗資料館 館長 田井 静明さん

瀬戸内海歴史民俗資料館 館長 田井 静明さん

瀬戸内海歴史民俗資料館テーマ展
'60年代JETRO収集海外優秀商品-香川県保管の驚きの見本群-

【 と き 】 7月16日(土)~9月19日(月・祝)
【ところ】 瀬戸内海歴史民俗資料館
高松市亀水町1412-2(五色台山上)
http://www.pref.kagawa.lg.jp/setorekishi/

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。

讃岐を歩く

春の足音

春の足音

栗林公園を歩く。肌を刺すような風が吹く中、梅の蕾が開き始めている。梅の次は桜が待ち遠しい。行く1月、逃げる2月、去る3月・・・春はもうすぐだ。

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