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さぬき美探訪

2016年10月6日更新

『青は藍より出でて藍より青し』

松竹梅文様筒描油単
四国村所蔵
 
 

1976年(昭和51年)に開館した「四国村」民家博物館は、今年で40周年を迎えた。開館当時は、彫刻家・流政之や瀬戸内寂聴らが集まって香川を代表する観光名所として賑やかに慶び、今日に至る。

「日本民家史の研究」で日本建築学会賞を受けた建築史家・伊藤ていじは、入り口から続く、歩くことに抵抗するかのような巨大な岩肌の坂道「ながれ坂」を素敵な詩で語った。

険しさが際立っていた坂も、40年の歳月を経て、たおやかな表情に変貌している。

米蔵、醤油蔵、砂糖しめ小屋に収集保存されている民具の数々は今となっては日常から姿を消したものばかりである。使われていた当時の様子が解る人もいなくなった。道具は使われないと本当に価値の無い物体となってしまう。進化した道具はより便利を生み出す。便利を追い求めると不便が罪悪のようにも思えるものだ。しかし歩きにくい石畳の坂道は自ずと、共に歩く相手への気遣いを生む。ゆったりとした時間のなかで澄み切った青空を一緒に仰ぐひとときがどんなに大切なことであるのかを忘れてはいけない。

以前、瀬戸標に寄せた文章の中で、染色史家・吉岡幸雄さんの言葉を紹介した。「藍染めの藍も漆芸の漆も絹糸の絹も国産で手に入れることがどれほど難しい時代になったか」。時代は昔には戻れない。しかし、新しきを求めるには古きを温めてからだ。そんな吉岡さんの香川で初めての展覧会が10月8日から11月27日までここ四国村で開催される。

余談だが吉岡さんの先祖は、宮本武蔵に道場破りを許した吉岡一門だったそうだ。いつから染屋に変わったのかは定かでないが別の道で究めるところを見いだされ出藍の誉れということだろうか。四国村の倉に保管される四国の藍染めは、讃岐の木綿に、隣県阿波の藍。伊予では絣に、土佐では舟の幡に使われた古き良き時代をこんな染めの風合いから感じ味わえれば、ふる里を憶う至福の時間となるに違いない。

桜製作所 社長 永見 宏介

桜製作所 社長 永見 宏介

吉岡幸雄ディレクション展 JAPAN BLUEの世界

【と き】 10月8日(土)~11月27日(日)
※期間中無休
【ところ】 四国村内四国村ギャラリーおよび
古民家約10棟予定

高松市屋島中町91
【料 金】 大人1200円、高校生700円、小中学生500円
※四国村散策とギャラリー鑑賞含む
地図

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。



讃岐を歩く

三豊市詫間町の紫雲出山(しうでやま)の春は、約1000本の桜で淡いピンク色に染まる。思わず足を止めて見とれてしまう。やわらかな風に舞う桜の花びらはどこへ行くのか。思いを馳せながら、己の道を歩く。

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