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さぬき美探訪

VOL.206 2016年12月1日

インドから50年ぶりの便り

ル・コルビジェ設計のサラバイ邸で使われる
ダイニングテーブルと椅子
 

綿織物(Calico)で財をなしたサラバイ一族の寄金によりに設立されたアメーダバードにある国立デザイン研究所(National Institute of Design)から便りがあってインドを訪問することになった。10月22日から11月14日まで開催した「ジョージ ナカシマ展」とそのシンポジウムに招かれたのだ。日本から行く私とアメリカ本国からナカシマの娘・ミラが家族とともに参加した。ミラは基調講演で父・ジョージナカシマが1964年(昭和39年)にこの地でデザインワークショップをするために招待され、その帰り道に日本へも立ち寄ったことを説明した。当時早稲田大学院に留学中で建築を学んでいたミラと京都のカトリック桂教会の建築をする仕事が目的だったが、このとき初めて高松を訪問しその後、讃岐民具連と交流が始まったのはとても興味深い歴史である。

続いて私にも講演の時間が与えられたので、スライドショーをすることでお許し頂いた。生前にナカシマが気に入って何度も来日した瀬戸内海の美しい風景や水城の玉藻城、池に浮かぶ掬月亭(栗林公園)の写真など紹介した後“うどん”の写真には会場がなごんだ。

今回展覧会のために我々が訪印しているのを知ったNID創設者93歳のギラ・サラバイから期せずして朝食に招かれた。彼女の住んでいる屋敷やその敷地の一角にあるCalico美術館のいくつもの部屋でナカシマが半世紀前に遺した家具が今もなお使われていた。また大学で建築を学んでいる私の長女がこの旅に同行したので、ル・コルビジェの設計したサラバイ邸を非公開だが見てみたいと考えていた。するとその当主自らが案内してくれ、ここでもナカシマ家具が大切に使われているのを知りとても感激した。

ジョージ ナカシマ記念館
内部の様子

開催されたシンポジウムにはインド国内からデザイン関連で業績をあげているパネラーが多数参加していて、今年90歳になるインド建築界の巨匠B.V.ドーシは「考えるな!まず感じてみろ!」と若い学生たちに檄を飛ばした。中国が10年ほど前にIT産業と手工芸産業を2つの柱に立てたのに対し、インドはIT推進政策一本に絞ってきた。しかしシンポジウムではナカシマの作品に学び、手工芸にももっとデザイン的価値を高めていくことが重要だと締めくくった。まだまだこれからの将来性に期待の掛かる国から、時代を超えてナカシマのものづくり理念に注目してくれたことを嬉しく思う。

ジョージ ナカシマ記念館 館長 永見 宏介

ジョージ ナカシマ記念館 館長 永見 宏介

ジョージ ナカシマ記念館
家具デザイナー・ジョージ ナカシマの生き方や、ものづくりに対する考え方、哲学に、約60点の作品や貴重な写真、手紙などで触れることができる。見学は要予約

【ところ】 高松市牟礼町大町1132-1
【入館料】 一般500円、小中学生200円
地図

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。

讃岐を歩く

春の足音

春の足音

栗林公園を歩く。肌を刺すような風が吹く中、梅の蕾が開き始めている。梅の次は桜が待ち遠しい。行く1月、逃げる2月、去る3月・・・春はもうすぐだ。

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