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さぬき美探訪

VOL.216 2017年5月4日

こんとあき(1989年)
林明子 作・絵/福音館書店刊
原画は宮城県美術館蔵

『はじめてのおつかい』や『こんとあき』で知られる絵本作家の林明子さん(1945~)。自身初となる物語絵本『はじめてのおつかい』を出版して約40年。その間、数多くの絵本を生み出してきました。その優しくも繊細な作品世界に迫る特別展「絵本のひきだし 林明子原画展」が、5月28日まで高松市美術館で開催されています。

ここでは「豊かな表情」「風景描写」「仕掛け」の3つから林作品の魅力をご紹介します。

こんとあき(1989年)
林明子 作・絵/福音館書店刊
原画は宮城県美術館蔵

まずは『こんとあき』にみる豊かな表情。この絵本はぬいぐるみの「こん」と女の子の「あき」が旅に出るお話です。林さんは一瞬一瞬のあきの表情を繊細に描き出しています。どうしてこれほどリアルな表情を描けるのでしょうか。そこにはモデルとなった子どもたちの存在があります。林さんは子どもを描く際、親戚や近所の子どもにモデルを頼んだそうで、あきのモデルは林さんの姪です。列車の座席に座るあきの姿勢はとても子どもらしいものです。気をぬいて腕をだらんとさせ、背中は少し丸まっています。きっともう少し大きくなったら人前でこれほど無防備な姿勢はとらなくなるのでしょう。

2つめは風景描写です。『こんとあき』で描かれた砂丘は紫がかった夕暮れの風景が美しく、海には漁火がともっています。また、町や家の中の様子も魅力的です。『はじめてのおつかい』では、ページを開くとまず出てくるのが家の中。散らかった室内は一つひとつの物が丁寧に描かれ、温かな空気が流れています。町の風景では近景と遠景の使い方が巧みで、主人公・みいちゃんのおつかいを町全体が見守っているかのようです。

最後は、絵本に潜んだたくさんの仕掛けです。『はじめてのおつかい』で描かれているポスターを見ると、なんと絵の教室の先生が“はやしあきこ”さん。電話番号は当時の林さんの番号で、絵を教えてほしいという電話がかかってきたと林さんは雑誌の取材で回想しています。ほかにも同じ登場人物が別の作品に出てくることがあります。おつかい先のお店で登場しためがねおじさんは『いもうとのにゅういん』では松葉杖をついています。物語は決して絵本1冊で完結していないようです。いろいろなところに仕込まれたストーリーのかけらを探し出し、想像してみるのも林作品の大きな魅力ではないでしょうか。

本展覧会では、林さんが手がけた絵本の原画をはじめ、ラフスケッチも展示。またイラストレーター時代の作品や、角野栄子さん作『魔女の宅急便』の挿絵原画など200点以上を展示します。大人も楽しめる表情豊かな絵本の世界を、ぜひお楽しみください。

高松市美術館学芸員 橘 美貴

絵本のひきだし 林明子原画展
はじめてのおつかい、こんとあき、そしてひよこさんまで

【とき】 5月28日(日)まで
【ところ】 高松市美術館(高松市紺屋町10-4)
【入館料】 一般1000円、大学生500円、高校生以下無料
地図

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。



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寒霞渓と並ぶ小豆島の景勝地、銚子渓。この渓谷にある「自然動物園 お猿の国」では、約500匹の猿が戯れる。子猿の愛くるしい表情がなんとも言えない。冬の風物詩「猿団子」も見ものだ。

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