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さぬき美探訪

VOL.226 2017年10月5日

お盆休みに家族で広島へ出かけた。中国道三次で高速を降りるとほどなく目的地である奥田元宋・小由女美術館が見えてきた。

2004年に一人で車を運転して、工事中だった現場事務所へ打ち合わせに行ったのを思い出す。当時、山を切り崩して美術館が建設されていた。今は周辺に物産館やレストラン、ワイナリーなど様々な施設ができていて大変な盛況ぶりだ。日本画家・奥田元宋が生前、人形作家である小由女夫人と2人の美術館を希望して、出身地である広島県の山中に立派な美術館ができた。とても珍しいことだと思う。

中に入るとある男性がにこやかに「この建物は日本芸術院賞受賞の柳澤孝彦さんの設計です」と説明してくれた。緩やかなカーブの屋根は元宋画伯が描いた中国山地の山々を、窓は小由女夫人の人形の髪を飾る櫛をデザインして設計されたと聞いた。「大理石の床には所々にアンモナイトの化石があります。壁面の一部には四国の庵治石を使っています」と説明は続く。この美術館の目玉は、建物に挟まれた池で、ガラス越しに置かれた木の椅子に腰かけて、池の水に映る月の姿を眺めるのが最高の贅沢なのだそうだ。私たちが香川から来たと打ち明けると、その椅子は高松に記念館があるジョージナカシマのデザインしたものだと付け加えた。同じ趣向の建物“掬月亭”が栗林公園にもあることを、彼が御存知だったかどうかは解らないが、とにかく庵治石のことやナカシマの家具をとても自慢にして頂いたことに感激した一日だった。

休みが明けて出社すると、思いもよらず柳澤先生の訃報を受けた。亡くなられたのは8月14日未明、私たちが美術館を訪れたその日である。柳澤先生が設計された建築には、郡山市立美術館、富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館、東京都現代美術館、新国立劇場など数々の名建築があり、その床や壁など随所に庵治石が使われてきた。空間を構成する大切なマテリアルとして先生が一番に好んでおられたことがよく解る。生前お会いした時、東京都現代美術館も民間委託で運営組織が変わったので竣工当時の面影が失われて寂しいと惜しまれていた。全国各地に遺された先生の素晴らしい建築作品が多くの人に大切に愛され続けることを心より祈りたい。

ジョージ ナカシマ記念館
館長 永見 宏介

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。



讃岐を歩く

高松市サンポートを歩く。海沿いの広場で出迎えてくれるのは、スナメリのベンチ。なんとも愛らしい表情で、心も体も癒やされる。

Photo:T.Nakamura

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