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ビジネス香川 -「いま」を伝え、「未来」を育てる-

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プライムパーソン

VOL.231 2017年12月21日

先月27日、香川銀行では88店舗目、東京都内では2店舗目となる深川支店が開設した。企業や商店など事業者が多く、ここ数年では大型マンション建設も相次ぎ、人口が増加している地域だ。さらに来月には、個人ローンや住宅ローン、投資信託などに特化した「個人営業センター」が大阪でオープンする。都市圏に相次いで出す新たな店舗は今年6月、香川銀行9代目の頭取に就任した本田典孝さん(65)が掲げる今後の戦略の太い幹だ。

「成長戦略を描くには成長エリアへの出店は欠かせません」

深川支店オープニングセレモニーの様子
=11月27日、東京・江東区

日銀によるマイナス金利政策や人口減少、コンビニエンスストアやスマートフォンで手軽に利用できるインターネット専業銀行の台頭など、銀行を取り巻く環境は変化の真っただ中にある。「高松市では人口42万人に対して金融機関の支店数は100以上あり、1支店当たりの周辺人口は4000人程度。支店が存続できるのは約7000人と言われていて、完全なオーバーバンキング状態です」

地方創生が叫ばれる中で構える東京や大阪での新店舗。「地元をないがしろにしているのではないか」と他行の頭取に言われたこともある。だが、「決してそんなことはない。香川や四国での落ち込みを元気なエリアでカバーする。それがゆくゆくは地元でのサービス向上に繋がっていく。とにかく早く手を打たないといけない状況です」と本田さんは口調を強める。

高松市天神前のメディアステーションビル屋上より、
香川銀行新本店ビル建設現場を望む

成長戦略に欠かせない、もう一本の幹がある。「人材育成」だ。「いくら良い施策を打ち出しても、人が育っていなければ事業は発展しません」

金利や融資額といった条件面でメガバンクや第一地銀と競うのは簡単ではない。「勝機はお客様と良好な人間関係を構築することにある。コミュニケーション能力や人間力を高める研修などを積極的にやっていこうと思っています」

目指すのは、顧客に選ばれる銀行、何かあった時には一番に声を掛けてもらえる銀行だ。「お客様が悲しんでいれば自分のこととして同じ悲しみを感じ、喜びは一緒に分かち合う。そんな心に寄り添える行員になってほしい」と本田さんは話す。

綾川町出身で中学時代は野球部に所属。自分たちより力が上の強豪校に食らいついていくのが楽しかった。大学を卒業した1974年、地元に戻り銀行マンを志した際、迷わず第二地銀の香川相互銀行(現香川銀行)を選んだ。「追われるよりも後ろから追いかける立場の方がやりがいがあり、性格に合っていると思いました」

営業マンとして飛び回っていた20代後半の頃の、忘れられない記憶がある。積立預金の集金業務。月額数千円程度にも関わらず手間の掛かる仕事だったが、一軒一軒丁寧に顧客を回っていた。するとある日突然、年配の女性客から大口預金の申し込みがあった。びっくりして、「他にも大きな銀行があるのに、なぜうちに預けてくれるんですか」と尋ねると、「他の銀行は少しの預金しかしない私を相手にしてくれない。でも本田さんは違った。いつもコツコツ訪ねて来てくれた」

香川銀行を選んでもらえた。一番に声を掛けてもらえた。これほどうれしいことはなかったと振り返る。「当時は銀行にとって“いい時代”で、お客様に対して横柄な態度を取ったり、職業や家柄で人を判断したりする行員も多かったかもしれません」。そうならないよう心掛けてはいたが、「改めて、お客様のことを第一に考え、当たり前のことを当たり前に、小さなことでも勇気をもってコツコツやる。その大切さを痛感しました」。小さなこともできないのに、大きなことができるはずもない。「鯛の一本釣りをいきなり狙っても絶対に釣れませんよ」と本田さんは笑う。

高松市の中心部で存在感を放っていた8階建ての白い大きなビルが姿を消し、中央通り沿いの景色が変わった。老朽化と、組織の拡大で手狭になったため、香川銀行の本店ビルは48年ぶりに新築される。10階建ての新本店ビルは、再来年9月に完成する予定だ。

新本店ビルの完成イメージ

ビル解体時、前のビルが造られた頃の資料が多数見つかった。「当時社長だった山下笹一さんの、未来へ向かってたくましく挑戦していく思いや決意を綴った書などを見て、尊敬と感謝の気持ちが込み上げてきました。香川銀行の今があるのは、やはり先輩方のおかげです」

65歳で頭取になった。香川銀行会長で、銀行の持株会社トモニホールディングス社長も務める遠山誠司さんから就任を打診された時は、正直悩みに悩み抜いたと打ち明ける。「65歳といえば前期高齢者の1年生。デジタルやITといった世の中の速い流れについていけるのかという不安もありました」。しかし、先輩たちが必死で育て、自分自身を育ててくれた香川銀行を「選ばれる銀行」にするための天命だと腹をくくった。

「行員にはお客様が自分に何を求めているのかを感じ取れる人間になってほしい。65歳を過ぎても仕事ができる喜びを感じながら、気負わずにやっていきたいと思っています」

篠原 正樹

  • 1952年 綾川町生まれ
  • 1970年 高松第一高校 卒業
  • 1974年 近畿大学商経学部 卒業
    香川相互銀行(現香川銀行)入行
  • 1989年 宇多津支店長
  • 2002年 取締役 本店営業部長
  • 2004年 常務取締役
  • 2007年 専務取締役
  • 2017年 取締役頭取

所在地
高松市亀井町7番地9
TEL.087・861・3121/FAX.087・862・2150
設立 1943年2月1日
資本金 120億円
総資産 1兆6437億円
自己資本比率 10.02%
従業員数 1086人
店舗数 88店舗(本支店82、出張所6)
(2017年9月末現在、店舗数は17年11月末現在)
地図
URL http://www.kagawabank.co.jp/

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海外進出、ニッチトップ、地域に根ざす100年企業・・・
香川には数多くの魅力的な企業があり、その舵を取るリーダーたちもまた、たくさんの魅力にあふれています。
企業、団体、伝統文化など様々な分野の最前線で活躍する人たちの本音に迫ります。



讃岐を歩く

見上げれば空を翔るパラグライダー。東かがわ市の大坂峠にはパラグライダーのスタート台がある。鳥のように優雅な姿に、思わず見とれてしまう。

Photo:T.Nakamura

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