当サイトにおける全てのコンテンツの無断複写・転載等を禁じます。

ビジネス香川 -「いま」を伝え、「未来」を育てる-

文字サイズ
標準
拡大

ビジネス香川 ここにもあります 高松空港ANA・JAL便搭乗口、ことでん高松築港・片原町・瓦町・栗林公園・仏生山駅、高松市民病院、高松市図書館、香川県立ミュージアム・東山魁夷せとうち美術館、栗林庵、瓦町FLAG、高松市内のセブン-イレブン・ファミリーマート、JR四国バス ほか

  • プライムパーソン
  • Next開拓魂
  • It's me!それは私です
  • BK NEWS
  • さぬき美探訪
  • さぬき味探訪
  • 動向リサーチ
  • 瀬戸標(せとしるべ)
  • かがわのエンジン
  • とれぷれ
  • 特・選・本
  • 特・選・話
  • 本日、旅日和

プライムパーソン

VOL.232 2018年1月4日

「屋島レクザムフィールド」の愛称で昨年4月にリニューアルオープンした高松市屋島競技場=高松市屋島中町

キャッチコピーは「フィールドは無限大」。主力の電子機器や、医療用機器の設計開発、金属加工、スキーブーツや地ビール製造など、文字通り無限のフィールドを舞台とするレクザムは昨年、創業以来初となる売上500億円の大台を大きく上回った。「前年は4000万円ほど足りなかった。次こそはと狙っていました」。副社長の住田博幸さん(70)にとって「500億」は特別な数字だった。

屋島レクザムフィールド会議室

入社以来、技術者として開発現場の最先端でものづくりに邁進してきた。副社長になった2000年、会社をもっと飛躍させたいと「日本一の中小企業になる」という大きな目標を掲げた。

「売上だけが全てではないが、『日本一なら500億だろう』と数字を定めました。中国、タイ、チェコなど海外にも拠点が広がり、ひょっとしたら『日本一』に近づけたのかもしれませんね」

目標をクリアした住田さんだが、ものづくりへの情熱は一向に冷めていない。一昨年、愛媛県西条市のパナソニック系列の工場を買収。延べ床面積8万m²超の広大な工場で、“水素”の新事業に乗り出した。「水素の貯蔵から、水素を活用する燃料電池などの応用製品まで、一大拠点を目指して水素サプライチェーンを確立していきたい」

昨年10月に新工場が落成した蘇州隆祥電子有限公司
=中国・江蘇省

さらに中国・雲南省では「これまた全然違うことをやり始めました」。豚や魚の養殖などに使われる飼料の新しい添加物として“酵母”に着目した。「これまでは病気を防ぐために抗生物質などが使われていたが、酵母はそれに替わる安全安心な添加物。食に関わることなので将来の市場性も高いと見ています」

年間5000トンの酵母をつくるプラントを2年前から建設。今年から本格的に製造を始める。「まずは中国で販売し、東南アジアや欧米にも広げたい。酵母は食品や化粧品にも応用できるので、今後脚光を浴びてくる。3年後の中国での株式上場が目標です」

古希を迎え、「後継者にきちんとバトンタッチするのが私の次の仕事」と話しながらも、「言うこととすることが全く違いますよね」と笑い、新たなフィールドに目を輝かせる。

「空を自由に飛びたいと思っていたんです」。少年時代の夢はパイロット。高松高専を卒業後、航空会社を目指したこともあった。だが1971年、23歳の時にたまたま隆祥産業(現レクザム)創業者の岡野馨社長と出会って見初められ、「気がつくと辞令が出ていて、そのまま入社しました。ご縁というのはそういうものなのでしょうね」

合成樹脂材料の卸しなどが主軸だった会社に、電子工学の新たな血を注ぎ込んだのが住田さんだった。入社して最初に手掛けたのはボイラー制御装置。失敗を繰り返しながらも1年以上かけて、トランジスタを使ったオール電子式コントローラーを業界に先駆けて開発した。「自分がつくったコントローラーで大きなボイラーが動き出し、炎をあげて燃え始めた。あの時の感動は今でも忘れられません」

眼科医院などで視力を測る検眼器は、後発メーカーながらも海外で高いシェアを誇る。光学や画像処理などの独自技術を駆使し、目の屈折率や眼圧を瞬時に測定する。「以前チェコを訪れた時、町のメガネ屋さんをふと覗いたら、レクザム製の検眼器が置いてあった。『うお~、こんなところにもあるんや』と興奮して涙が出そうになりました」

磨き上げた技術が形になり、お客さんに使われて役に立つ。それがものづくりの醍醐味だと住田さんは話す。「始まりは岡野さんとの偶然の出会いでしたが、今思えば結果オーライ。この会社ではいろんなことに挑戦させてもらえました」

現社長は3代目の岡野晋滋さん。半世紀近くにわたり、右腕として創業家を支え続けている。

「屋島レクザムフィールド」の愛称で生まれ変わった高松市屋島競技場。6000人を収容できるスタンド、瀬戸内海をイメージした青色のトラックや、サッカーやラグビーもできる天然芝のフィールドに、大型ビジョンも備える。「多くの人に幅広く利用してもらい、親しみのある競技場になってほしいですね」

メインスポンサー契約を結んだ
レクザムの岡野晋滋社長(左)と
カマタマーレ讃岐の
山下幸男社長(当時)

県営野球場は「レクザムスタジアム」、県民ホールは「レクザムホール」。ネーミングライツ(命名権)などの地域貢献活動もまた、レクザムにとってのフィールドの一つだ。今年はさらに、財政基盤の強化を目指すカマタマーレ讃岐のメインスポンサーに名乗りを上げた。「レクザムの本社は大阪だが、製造拠点は創業者の地元でもある香川です。お世話になった故郷を何とかして盛り上げたい。それに、レクザムの名前が表に出ることは社員の励みにもなります」

会社の土台を築いてきた香川工場は今年、操業開始50周年の節目を迎える。「10月には社員と家族による記念の大運動会を、この屋島レクザムフィールドでやりたいと計画しています」

リスクから逃げない。できないと言わない。技術者としてその信念だけは曲げず、「できない」に挑み続けてきた。次代を担う若き技術者たちへ、こうメッセージを送る。「リスクなくして利益はない。チャレンジなくして新製品は生まれない。失敗を恐れずあきらめず、常に挑戦していってほしいですね」

篠原 正樹

  • 1947年 高松市生まれ
  • 1968年 高松工業高等専門学校(現香川高専高松キャンパス)電気工学科 卒業
    地元百貨店勤務を経て
  • 1971年 隆祥産業(現レクザム)入社
  • 1985年 取締役 電子事業部長
  • 1989年 常務取締役 香川工場長
  • 2000年 取締役副社長 生産本部長

所在地
本社:大阪市中央区南本町2-1-8
TEL.06・6262・0871
香川工場:高松市香南町池内958
TEL.087・879・3131
設立 1960年1月
代表者 代表取締役社長 岡野晋滋
資本金 4880万円(グループ総資本金44億2000万円)
従業員 1080人(グループ:国内1300人、海外1700人)
事業内容 エレクトロニクス応用製品
(電子コントローラ、医療機器他)、
半導体製造装置関連機器、自動車部品、
精密機械加工品などの開発・設計・製造・販売
グループ会社 レクザム電子四国、レクザム金属岡山、
蘇州隆祥電子・深圳先隆電子・
保山九隆酵母・昆明隆祥化工(中国)、
レクザムタイランド、レクザムチェコ 他
地図
URL http://www.rexxam.co.jp/

広告掲載はこちらをクリック!

プライムパーソンとは

海外進出、ニッチトップ、地域に根ざす100年企業・・・
香川には数多くの魅力的な企業があり、その舵を取るリーダーたちもまた、たくさんの魅力にあふれています。
企業、団体、伝統文化など様々な分野の最前線で活躍する人たちの本音に迫ります。



讃岐を歩く

見上げれば空を翔るパラグライダー。東かがわ市の大坂峠にはパラグライダーのスタート台がある。鳥のように優雅な姿に、思わず見とれてしまう。

Photo:T.Nakamura

讃岐を歩くの一覧はこちら

ページの先頭へ移動