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プライムパーソン

VOL.241 2018年05月17日

「尽誠ブランド」で人生に寄り添う

学校法人尽誠学園 理事長 大久保 直明さん

「尽誠ブランド」で人生に寄り添う 学校法人尽誠学園 理事長 大久保 直明さん
AI時代に活躍できる人材を育てたい

甲子園出場で生徒に誇り

1884年に創立された四国最古の私立学校、現尽誠学園高校を運営。尽誠学園グループは高校だけでなく、保育園、幼稚園、中高一貫校、看護学校に短期大学、さらには老人ホームまでも手掛けている。県内随一の教育・福祉グループだ。「乳幼児期から晩年まで、人生に寄り添い、支えていきたい」と大久保直明さん(68)は力強く話す。

野球部、ソフトテニス部、卓球部、サッカー部、柔道部、
陸上部、バスケットボール部、剣道部の生徒たちと
=善通寺市生野町の尽誠学園高校体育館

尽誠学園と言えば「高校野球の強豪校」というイメージが強い。「その戦略は成功したと思っています」

尽誠学園高校は1970年代後半頃、荒れていた時期があった。「先代の理事長だった父親が、多少勉強ができなくても素行が悪くても、あらゆる生徒を入学させたんです。『そういった子の個性を生かし教育するのが真の教育だ』と。父と一緒に夜の教室の窓ガラスを張り替えたことも懐かしい思い出です」

79年、大久保さんは英語の講師として東京から帰郷した時に思った。「生徒たちには胸を張って誇れるものがあまりない。自信やプライドが生まれれば、生徒も学校も変わる」

そこで注目したのがスポーツの花形、高校野球だった。目標は「高松商業に勝って甲子園へ行く」。優秀な指導者を招き、関西地方から野球に秀でた少年たちを入学させた。「できることなら県内で上手な選手を集めたかった。でも、声をかけても公立へ行く子も多い。悔しい思いを何度もしました」

専用寮を建てるなど学校をあげて野球部をバックアップ。4年後の83年、春のセンバツ初出場を果たした。学園創立100周年の記念の年だった。「うれしくてうれしくて、甲子園で必死に応援しました。残念ながら初戦で負けましたが、全てのシーンを今でも覚えています」

その後甲子園常連校になり、全国に「尽誠学園」の名が知れ渡った。「東京へ行っても『あの尽誠か』と言われるようになった。野球部以外の生徒にも『尽誠の生徒らしくしないといけない』という自覚が生まれた。礼儀も良くなり、好循環で他の運動部も強くなりました」

尽誠学園グループの尽誠福祉会が運営する施設「諶之丞の丘」=三豊市財田町
尽誠学園グループの尽誠福祉会が
運営する施設「諶之丞の丘」=三豊市財田町

一方で葛藤もあった。「野球部が強くなればなるほど、県外出身選手が多いことへの批判の声が大きくなりました」。しかし、揺るぎない信念があった。「全国の子どもたちを、全国で活躍できる人材に育てるのが私学の役目だ」。大久保さんは「尽誠学園で成長したいと海を渡ってくる子どもたちの根性や覚悟は相当なものですよ」と話し、こう続ける。「甲子園での活躍で『尽誠ブランド』が格段に上がった。生徒も自信をつけ、学業面でも国公立大や難関大の合格者も増えました」

幼稚園の入園希望者は定員を上回り、三豊市の特別養護老人ホーム「諶之丞(じんのじょう)の丘」の評判も上々だという。

彦三郎の遺志を継いで

尽誠学園の創始者は大久保さんの曽祖父・彦三郎。開通30周年を迎えた瀬戸大橋の提唱者として知られる大久保諶之丞の弟だ。「とても仲の良い兄弟で、日本の将来のために諶之丞が殖産興業、彦三郎が教育事業に尽くそうと、互いに誓い合ったという逸話があります」

彦三郎の家系に育った大久保さんは「幼い頃から『教育の道に進む』という考えしかありませんでした」

高校は「有名私立高を見ておこう」と親元を離れて愛媛の愛光学園高校へ。東京大大学院では中高一貫校について研究した。「公立校と、私立の中高一貫校に対するイメージを、東京と香川で調べました。ともに中高一貫校への期待や評価は高く、『これなら香川でもやっていける』と自信になりました」

大学院での研究を生かし、95年、父・紫朗さんが手掛けた中高一貫の香川誠陵中学校・高校の立ち上げを支えた。現在、長男の直幸さんが母校の誠陵高では数学を、香川短大では教育学と心理学の講義をしている。「祖父や父が繋いできた彦三郎の遺志を、私も生涯継いでいくつもりです。息子も続いてくれればと思っています」

成し遂げたい2つの夢

オンライン英会話の授業の様子=高松市鬼無町の香川誠陵中学校・高校
オンライン英会話の授業の様子
=高松市鬼無町の香川誠陵中学校・高校

大久保さんは今、英語教育に力を入れている。誠陵中学校・高校ではオンラインで外国人講師が指導するなど、「グループ内の全ての学校で、ネイティブスピーカーによる語学の授業を行っています」

時代は急速に変化し、少子化も進む。生徒・学生数は減っているが、香川短大ではアジアを中心に留学生の受け入れを積極的に進めている他、「学園全体でPepperや英会話ロボット、ドローンを導入するなど新たな試みにもチャレンジしています。生徒たちの知的好奇心を引き出したい」と大久保さんは力を込める。「異文化や最先端のテクノロジーに触れる経験から様々なことを学び、創意工夫をしてほしい。グローバル化が進み、AIと共存していく社会の中で、卒業生たちが生き生きと活躍できることを願っています」

2つの大きな夢がある。1つは尽誠高野球部のこれまでの最高成績、甲子園ベスト4を上回る全国制覇。そしてもう1つは誠陵中・高を県内一の進学校にすることだ。「公立校の壁は厚いですが、決して不可能ではないと思っています。長男と一緒にいつか成し遂げたいですね」

篠原 正樹

大久保 直明 | おおくぼ なおあき

1949年 善通寺市生まれ
1968年 愛媛・私立愛光学園高校 卒業
1973年 慶應義塾大学文学部 卒業
1976年 東京大学大学院修士課程 修了
1979年 東京大学大学院博士課程
    単位取得満期退学
    香川短期大学 講師
1980年 香川短期大学 助教授
1982年 香川短期大学 教授
2000年 学校法人尽誠学園 理事長
2017年 香川県私立中学高校理事長会 会長

学校法人 尽誠学園

住所善通寺市生野町855-1
TEL.0877・63・1717/FAX.0877・63・3860
設立1884年3月1日
事業内容香川短期大学、香川看護専門学校、
尽誠学園高校、香川誠陵中学校・高校、
香川短期大学附属幼稚園の運営
関連施設社会福祉法人尽誠福祉会、
特別養護老人ホーム諶之丞の丘、のぞみ保育園
地図
URLhttp://jinsei-hs.sakura.ne.jp/

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讃岐を歩く

よく見ると・・・

夏の終わりに津田の松原を歩く。岩清水八幡宮に立ち寄ると、ねこがお昼寝中。お賽銭を投じても、鈴を鳴らしても、ぴくりともしない。よく見ると「土足禁止」の札の前で、ちゃんと足を浮かせていた。

Photo:T.Nakamura

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