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プライムパーソン

VOL.246 2018年08月02日

異業種との連携で
化学反応を起こす

白洋舎 社長 鵜川 俊英さん

異業種との連携で化学反応を起こす 白洋舎 社長 鵜川 俊英さん
スタッフとともに(高松市郷東町の白洋舎本店前)

クリーニング業界は1992年、売り上げ約8170億円でピークを迎えた。鵜川俊英さん(58)が家業である白洋舎に入社したのは86年。「業界全体に勢いがあって、うちも取次店をどんどん増やしている時代でした」

当時は、お客さんがクリーニングを取次店に持ち込み、仕上がれば取りに行くスタイルが主流。鵜川さんは入社後すぐ、たばこ店や米穀店、日用品店の軒先を借りて1坪程度の取次店をつくる店舗開拓の仕事を担った。「朝早く出かけ1日何十件と飛び込み営業をするんですが、異業種の人と話ができるその仕事は、吸収することも多く大好きでした」

98年には大規模小売店舗立地法が成立、規制緩和で大型スーパーの出店が相次ぎ、個人経営の取次店が次々と廃業していく。クリーニング業者は各社とも、売り上げの減少を、直営店を増やすことでカバーしようとした。特に大型スーパーにテナントとして出店する競争は激しかった。

社長に就任したのは、ちょうどその頃。スーパー出店の話を聞くやいなや駆けつけ交渉するも、家賃や営業時間など厳しい条件が提示される。出店できなければ戦略を見直さなければならない。「家賃や営業時間といった条件だけの体力勝負。こんなことを繰り返して、一体この先に何があるのかと思うと本当にしんどかった」。しかし、苦しい状況を変える糸口は、身近なところにあった。

「宅配クリーニング」が差別化に

革色工房では職人さんが対応してくれる
革色工房では職人さんが対応してくれる

他社との差別化を模索するうち、改めて目を付けたのが創業当時から続けてきた「宅配クリーニング」だった。取次店が主流になる以前は、外交員が自転車で各家庭を回っていたが、各地域にきめ細かく店舗ができると宅配の優位性がなくなり、効率の悪い外交は激減。白洋舎でも、90年代には外交員が3人になっていた。しかし、「父の方針を引き継ぎ、少しずつ外交員を増やしていきました。同業者どうしの出店競争が激しい中で、他社がやっていない宅配はうちの強みになるかもしれないという期待は、途中から確信に変わりました」

同社の宅配クリーニングは、依頼がある時だけ受け取りにいく営業スタイルではない。クリーニングがあってもなくても決まった曜日、時間に必ず訪問する。一見、効率が悪いように思えるが、定期的に通ううちにお客さんとの信頼関係ができる。すると、高齢のお客さんから「家具を動かして掃除をしたいけど重いから手伝って」「電球を替えてほしい」など、クリーニングと関係ない相談を受けるようになった。「お客様の困りごとがビジネスにつながるんじゃないかと思いました。『高齢化』はクリーニング業にとってはピンチですが、ピンチをチャンスに変えるのは気持ちの持ち方次第なんです」

本店内では洋服のリフォームも受付

こうして生まれたサービスが「おそうじくん」。電球の交換、キッチンやお風呂の掃除、エアコン掃除、庭の草ぬきといった暮らしのちょっとした困りごとを引き受ける。さらに、靴やバッグなどの革製品を洗浄・修復する「革色工房」を始めた。洋服のリフォームも受け付けた。

「クリーニング業はこの先どうなるのか、という思いの中で新しい需要を切り開きたい、と必死でした。それができたのは、お客さんと直接顔を合わせてニーズが聞ける宅配があったからだと思います」

次へとつなぐために

クリーニングはサービス業
サービス業はやっぱり“人”なんです

最近、次の世代のことを考えるようになったという。今後も厳しい時代が予想される中、しっかりした組織やビジネスモデルを残したいと考えている。「まずは、外交員も受け付けの人も含め教育に力を入れたいですね。クリーニング業はサービス業。サービスの質の高さはやっぱり“人”に尽きると思います」

新たな顧客を開拓するために、異業種との連携にも力を入れている。これまでにも、マンション業者に提案してマンションの入り口にクリーニング受け渡し専用ロッカーを設置したほか、香川大学工学部との共同研究で加齢臭を除去する洗濯技術を開発した。

今考えているのは、フィットネスクラブ利用者が着ていたシャツやスーツを専用ボックスで回収するサービスやお墓の掃除など。クリーニング=「きれいにする」というキーワードで考えると、衣類だけではなくいろいろなビジネスがあるのではないか。その中で新たなニーズを見つけ、人生の始まりから終わりまで網羅できる“総合的なクリーニング業”を目指したいという。

「意外な業種と連携することで、新しいビジネスが生まれる。どんな化学反応が起きるのかと考えるとワクワクします」

石川 恭子

鵜川 俊英 | うがわ としひで

1960年 高松市生まれ
1979年 大手前高松高校 卒業
1983年 立命館大学経営学部 卒業
    イトキン入社
1986年 白洋舎入社
1991年 常務取締役
1996年 代表取締役社長

株式会社 白洋舎

住所高松市郷東町135-1
TEL:087-881-4341/ FAX:087-881-4389
設立1951年6月29日
資本金1000万円
社員数85人
事業内容ドライクリーニング、ランドリー加工、洋服のリフォーム、靴・バッグの色補正・リペア、宅配クリーニング、生活支援サービスおそうじくん など
地図
URLhttp://www.hakuyosha-gp.co.jp/

プライムパーソンとは

海外進出、ニッチトップ、地域に根ざす100年企業・・・
香川には数多くの魅力的な企業があり、その舵を取るリーダーたちもまた、たくさんの魅力にあふれています。
企業、団体、伝統文化など様々な分野の最前線で活躍する人たちの本音に迫ります。

讃岐を歩く

燕帰る

春、日本にやって来て、秋、南方へ去るツバメ。暦の上ではもう秋を迎えたが、残暑はまだまだ厳しい。ツバメはそろそろ帰り支度を始めているのだろうか。昼下がりの丸亀市・本島にて。

Photo:T.Nakamura

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