着付けしやすく、着物を身近に

ピッタリ衿芯

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2019.03.21

きれいな衿元(左)と、少ししわになった衿元(右)

きれいな衿元(左)と、少ししわになった衿元(右)

着物を美しく着こなすポイントは衿(えり)にあるという。そこで、和裁士の村瀬真智子さんは、衿を美しく着こなせる画期的な商品を開発した。

着付けをするとき長襦袢(じゅばん)の衿の内側に「衿芯(えりしん)」という小物を入れて張りを持たせる。一般的に衿芯は80cmほどの1本の細長い板状だが、村瀬さんは長さを55cmほどにして同じもの2枚1組で使うことを思いついた。
2枚1組で使うピッタリ衿芯

2枚1組で使うピッタリ衿芯

発想のきっかけは、呉服店で接客したとき「衿の幅より衿芯が細いから、衿芯が当たっていない部分がしわになる」という悩みを聞いたこと。長襦袢の衿は首の真後ろにくる部分の幅が狭く、そこから左右に向かって幅が広がっている。そこに1本の衿芯を通そうとすると、一番細い部分に衿芯の幅を合わせないといけないため、衿が広い部分では衿と衿芯の幅が合わず、しわの原因になっていた。

この悩みを、2つに衿芯を分けることで解消したのが「ピッタリ衿芯」だ。左右それぞれの衿先から1枚ずつ衿芯を入れれば、衿のどの部分でも幅いっぱいに衿芯が当たる。「どういう形がいいか、一般的な長襦袢ならどれでも合うような幅や長さは…を導き出すのが大変でした」。市販のより少し硬い素材もなかなか見つからず、完成までに5年かかった。
この悩みを、2つに衿芯を分けることで解消したのが「ピッタリ衿芯」だ。左右それぞれの衿先から1枚ずつ衿芯を入れれば、衿のどの部分でも幅いっぱいに衿芯が当たる。「どういう形がいいか、一般的な長襦袢ならどれでも合うような幅や長さは…を導き出すのが大変でした」。少し硬い素材もなかなか見つからず、完成までに5年かかった。

最初にできたのは「基本タイプ」。さらに、自分の衿の幅に合わせてカットできる「フリーカット用」も発売した。「これまで和裁士としてきれいに縫うことを追求してきましたが、着やすさも考えなければならないと気づいたんです」。大好きな着物を、多くの人に着てほしい。その思いから、若い世代や外国人向けに、長襦袢なしでTシャツなどの上から着物が着られるような小物の開発にも取り組んでいる。

問い合わせ TEL.087・876・4884合同会社一級さん 
kimono1@icloud.com

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