「令和」企業 100社超え

東京商工リサーチ

Research

2019.06.06

5月1日、新元号「令和」がスタートした。4月1日に次の元号が「令和」と発表されて以降、社名に漢字「令和」を含む企業(以下、「令和」企業)は5月9日午後5時までに全国35都道府県に、109社が誕生したことがわかった。

新設法人は77社

「令和」企業109社のうち、新設法人は77社、従来の社名から「令和」企業に変更したのは32社だった。このうち、4月1日付で新設されたのは8社、社名変更が19社で合計27社だった。

5月1日は「即位の日」で祝日のため法務局は業務を取り扱わず、改元日を会社の設立日とすることはできなかった。このため、5月7日付けで設立した「令和」企業が17社と集中した。一方、社名変更に関しては5月1日を変更日として後日、登記申請すれば可能なため、5月1日付けで社名を変更した企業が3社あった。

約4割が関東

109社の地区別では、関東が46社(構成比42.2%)でトップ。次いで、九州、近畿、中部の順。四国は1社だった。都道府県別では、トップは東京都で17社(同15.5%)。神奈川県、福岡県、大阪府と続き、全国35都道府県で1社以上の「令和」企業が誕生した。

サービス業他が最多

産業別のトップはサービス業他の52社(構成比47.7%)で約5割を占めた。サービス業他のうち、業種別では経営コンサルタント業(9社)が最多だった。このほか、訪問介護事業(4社)や有料老人ホーム(3社)など福祉・介護関連事業が多かった。コンサルタント業は代表の事業経験などをもとに小・零細規模の独立が多く、話題性や知名度アップを狙ったと思われる。また、「験(げん)を担ぐ」傾向のある不動産業、建設業が多く、新しい時代の幕開けとして縁起の良い「令和」を社名に採り入れた企業が多かったようだ。

新元号が「令和」と発表されてから1カ月間で「令和」企業は100社を超えた。5月7日に「令和」企業の設立が集中したように、改元以降も社名に「令和」を冠する動きはしばらく続くとみられる。

社名に「令和」を含むか含まないかに関わらず、「改元に合わせて法人を設立したいという相談が多く寄せられている」(東京法務局)という。また、「令和婚」に代表されるような祝賀ムードを追い風にした新たな需要が盛り上がりをみせるなど、改元が一定のブームとして拡がりをみせている。

国内景気の先行きが不透明さを増すなか、「令和」への改元を契機に「令和」にちなんだ商品やサービスが需要を喚起し、起業を促す起爆剤となることが期待される。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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