反省を重ねることが成長に

NEXCO西日本 四国支社 香川高速道路事務所長 新村 尚史さん

Interview

2019.07.18

今年3月、高松自動車道の4車線化工事が完成した。「渋渋滞や対面通行も解消し、より安全で快適になります。地域に期待されて完成した道路を守っていきたい」

初めてのM&Aで苦戦

学生時代の三味線演奏

学生時代の三味線演奏

広島出身で岡山育ち。高校卒業後は香川大学に進学した高校まではサッカー部だったが、大学では三味線や琴、尺八などを合奏する邦楽部に。楽器は三味線を選んだ。「違った世界を見たくて。期待通り、稽古や演奏会、いろんな方との出会いなど、とても新鮮でした。自分の幅も少し広がったと思います」

父親が建設の仕事に携わっていて、ものづくりやインフラ整備に親しみがあった。大学卒業後、日本道路公団に入り、用地買収、道路・交通管理、法務、人事などを担当してきた。一番長く携わったのは、民営化の際にグループ体制を整えることだった。

2005年、日本道路公団は東日本・中日本・西日本の各高速道路株式会社(NEXCO)に分割・民営化した。新村さんは、料金収受や交通管理、サービスエリアの商業施設管理などを担っていた複数の民間企業を、NEXCOグループにする手続きを担当した。

株式の買い取り、事業の譲渡など公団にとっては初めてのことばかり。民営化前から準備を進め、民営化後2年でグループ化完了を目指した。「短期間で仕上げる必要があったので、企業価値の評価や対象会社との協議が大変でした。NEXCOの理念を説明して、納得した上で譲渡していただく。グループになれば、高速道路の維持管理に関するノウハウが社内に蓄積され、より事業を円滑に進められます」

その頃、上司に言われたことが印象に残っている。「上手くいかないときは言い訳せずに、自分に何が足りないのかを考えろ。そうやって反省を続ける限り、成長できると。いつも気を付けています」

課題解決の糸口は…

子どもと野球観戦

子どもと野球観戦

昨年7月、香川高速道路事務所長に就任。同事務所は、高松自動車道の引田インターチェンジ~川之江ジャンクション間などを管理する。舗装が傷んでいる、大雨で通行止めになる……何かあれば安全通行のためすぐに対処しなければならない。「現場の近くで常に課題と向き合い、対応が良かったかどうか成果も目に見えます」。その分、プレッシャーがあるが、やりがいもある。

所員によく言っているのは「組織で仕事していこう」。課題や悩みを一人で抱え込まずにみんなと共有することで、個人から組織で取り組むべき問題になる。そうすれば、一人で考えるよりもいろんな手が打てる。

「高速道路は地域の生活になくてはならないインフラです。機能を守るのが、私たちの最大の使命。サービスエリアは地域間交流の拠点になるので、観光振興にも貢献できたら」

休日の楽しみは家族と出掛けること。カラオケや野球観戦に行く。広島生まれのため、子どもの頃から広島東洋カープファン。マツダスタジアムで応援歌を歌って、風船を飛ばす。次は9月にスタジアムで試合を観戦する予定だ。

鎌田 佳子

新村 尚史|しんむら ひさし

略歴
1971年 広島県広島市生まれ
1990年 岡山県立岡山芳泉高校 卒業
1994年 香川大学法学部 卒業
日本道路公団 入社
2005年 日本道路公団分割民営化
西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)
本社 経営企画課
2014年 四国支社 総務課長
2016年 本社 CSR推進課長兼グループ事業担当課長
2018年 四国支社 香川高速道路事務所長

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