油を使わず、環境にやさしい 水圧技術(Aqua Drive System)を使ったシリンダ

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2018.03.15

全自動入浴装置

全自動入浴装置

工事現場で見かけるパワーショベルやクレーンは、「油圧システム」で動いている。油圧は、小さい力で大きな物を動かす仕組み(図1)。力を伝える媒体が油だと油圧、空気なら「空圧」。加えて「電気」の主に3つが普及している。これに加わる第4の媒体として代表取締役・村上康裕さんが普及を目指しているのが「水圧技術」だ。
表面積1cm²のAのピストンを1kgの力で押すと、 表面積10cm²のBのピストンには下から10kgの 押し上げる力がかかる

表面積1cm²のAのピストンを1kgの力で押すと、
表面積10cm²のBのピストンには下から10kgの
押し上げる力がかかる

油圧機器メーカーの会長だった村上さんは、油が漏れる危険性や古い油を廃棄物処理しなければならない手間などを解消したいと思っていた。そんな時、水圧技術を扱う企業を訪問し「工場内のクリーンさを見てすごく興味をひかれました。当時は、水圧を扱う企業も少なかった」と言う。
水圧は今まで手掛けていた油圧と、機器の仕組みは同じだ。「シリンダ」(注)の中に油、または水を入れると、その圧力で中のピストンが動き機械を動かす。ただ水は、油のように粘り気がないためピストンが速く動きすぎるという問題があった。そこで、ちょうどいい速度に抑える役割のパッキンを研究。大きさや形、設置する場所を試行錯誤し、3年かかって水圧シリンダが完成した。
地下駐車場入り口に設置された防水ゲート

地下駐車場入り口に設置された防水ゲート

その水圧シリンダを応用したのが、介護用の全自動入浴装置だ。水圧技術をいち早く福祉機器に取り入れていた「ヤエス」と共同開発した。「油漏れの心配がないので、安心して浴槽に使えると介護施設でも高評価でした」。次に目を付けたのが防水ゲートだ。防水ゲートは、地下駐車場の入り口などに設置して台風や高潮による浸水を防ぐ装置。水道管につないで蛇口をひねればシリンダに水圧がかかる画期的な仕組みだ。
「環境への意識も高まりつつある現在、水圧技術へのニーズも高くなると思います」。今後は、旅館向け対応型入浴装置、クリーンさが求められる食品加工機などの分野への進出も視野に入れている。
福祉分野で使われているシリンダ

福祉分野で使われているシリンダ

(注)筒状の容器の中にピストンがあり、圧力がかかるとピストンが往復運動して機械を動かす仕組み

【問い合わせ】TEL.087・814・7651
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