新設は721社、前年比21社増

2017年香川県「新設法人動向」調査 東京商工リサーチ

Research

2018.06.21

2017年に全国で新しく設立された法人(以下、新設法人)は13万1,981社(前年比3.1%増)で、1年間で設立された法人数では、調査開始以来、初めて13万社を突破した。

香川県では前年より21社多い721社の法人が設立。市郡別では東かがわ市の前年比63.6%増、三豊市の前年比44.0%増が目立った。

※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象333万社)から、2017年(1~12月)に新しく設立された新設法人を抽出し分析した。

4月設立が最多

月別では年度初めの4月に最も多い81社が香川で設立。年間を通して4月に設立される法人が多い傾向は近年変わりない。一方、10月から11月にかけて設立される企業が最も少なく、11月に設立された法人は47社と17年の1年間で最少だった。
東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチ調べ

小規模法人が増加

資本金別では、前年増加した「1百万円未満」が166社(前年比2.9%減)、「その他」が72社(前年比11.1%減)とそれぞれ減少に転じた。最低資本金制度の廃止が浸透しており、1千万円未満の小規模法人が690社(構成比95.7%)を占めた。

産業別では10産業のうち6産業で前年より増加。金融緩和が追い風となっている「不動産業」が近年着実に増加、不動産価格の下げ止まり機運の高まりや資産運用としての不動産投資の活発化なども有利に働き、増加傾向を維持している。
東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチ調べ

7市郡で増加

県内13市郡のうち、前年に比べ増加したのは東かがわ市、三豊市、木田郡、綾歌郡、丸亀市、仲多度郡、香川郡の7市郡。東かがわ市は前年の11社から7社、三豊市は前年の25社から11社増加した。一方、さぬき市、小豆郡、坂出市、善通寺市、観音寺市、高松市は前年比減少。さぬき市は2年連続で前年比減少となった。

政府は18年度から法人設立手続きの簡素化を進める。オンライン申請を一本化して登記完了までの期間を現行の10日間から最短1日に短縮するなど、起業家の負担軽減を狙う。現状の低迷する開業率引き上げには制度改正や公的な補助金などのサポートに加え、地方創生を含む経済環境の改善が必要で、起業家が求める機動的な政策支援のあり方が問われている。

また、17年の1年間で香川には721社の法人が設立されたが、産声を上げた法人が順調に成長していけるような土台を整えていかなければならない事は言うまでもない。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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