四国愛とよそ者目線で 地域の企業を支える

日本政策投資銀行 四国支店長 久保田 和雅さん

Interview

2018.07.05

融資を通して地元企業を支える仕事がしたいと、北海道東北開発公庫(現・株式会社日本政策投資銀行)に入庫した。久保田和雅さん(50)は、融資業務と地域の動向を調査し経済指標としてまとめる企画業務の両方に携わってきた。

融資業務では、経営者の話を聞いたり工場を見学したりすることで、紙の資料だけでは分からない企業の姿が見えてくる。「設備資金を融資した工場が完成して製品ができる様子や、オープンしたショッピングセンターにお客さんがたくさん入っているのを見ると、地域経済の役に立っているんだと実感できました」

企画業務では、地域の設備投資動向、イベントの経済波及効果、地域産業構造の特徴などについて調査を行っている。これらに加え、「訪日外国人旅行者の意向」といったその時話題になっている事柄についても調査する。「世の中の動きを調査して発信することと融資。やっている内容は違いますが、企業をサポートして地域経済を活性化させるという目的は同じだと思います」。街を歩き、様々な人と話をする。仕事を通して地域を知る点も共通していると言う。

空海が讃岐生まれ 意外と知られていない!?

四国赴任は2003年から05年に続いて、今回が2回目となる。前回の赴任時と比べて、まず違うと感じたのは高松空港の国際線便数が増えたことだ。調査によると、四国を訪れるアジア圏の人達は、約半数が高収入層。「せっかくそういう人たちが来ているんだから、四国内で競争する前にまず四国全体で連携して観光客を呼び込むようにPRしないともったいない」

調査の情報を発信する時や、地域の経営者と話をする時は“よそ者目線”が必要だと思っている。「例えば、空海が讃岐生まれだということは全国的に知られていると香川の人は思っているかもしれませんが、空海=高野山というイメージを持つ人も多いんです」。地元の人が当たり前だと思っていることを、よそ者の視点で情報発信することで、経営のヒントや地域の活性化につながればと考えている。

大事なのは地域を知ること

小学校から高校まで野球部だった。「送りバントで自分がアウトになっても次の人が打てば得点になる。仕事でも、何もかも自分の成果にならなくても銀行や地域にとっていい結果につながればそれでいいと思います」
四国アイランドリーグplusを観戦

四国アイランドリーグplusを観戦

部下に伝えているのは、地域を知る大切さ。自身も、休日は観光地や話題のイベントに積極的に出かけるようにしている。好きな野球を観戦しに四国アイランドリーグplusの試合に出かけた。徳島の池田町で開催される「四国酒まつり」に出かけた時は、池田高校の蔦監督のキャラクターに出迎えられ嬉しかった。前回赴任した時、6カ寺まわっていた八十八カ所巡りも再開した。

「地域を知れば、愛着がわいてきます。融資も調査も“四国愛”を持って仕事をしてほしいですね」(石川 恭子)
蔦監督のキャラクター「つたはーん」とともに

蔦監督のキャラクター「つたはーん」とともに

久保田 和雅 | くぼた かずまさ

1968年 東京都生まれ
1987年 慶應義塾志木高校 卒業
1991年 慶應義塾大学経済学部 卒業
    北海道東北開発公庫
    (現・株式会社日本政策投資銀行) 入庫
2003年 日本政策投資銀行四国支店調査役
2007年 南九州支店課長
2009年 経営企画部課長
2011年 金融法人部課長
2014年 北海道支店次長
2015年 日本経済研究所常務理事
2017年 四国支店長

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