答えは丸亀町商店街にあり

四国地方整備局長 平井 秀輝

column

2018.11.01

高松は私の両親の故郷であり、私が中学の頃まで、度々帰省していたことは以前にも書かせていただいた。その頃、丸亀町商店街は人通りが凄く、自転車が通ると怖い程であった。その後、帰省する機会も減ったが、商店街が衰退しているとのお話を聞く度に寂しく感じていた。高松に赴任後、しばらくぶりに訪れてみると、昔と変わらぬ人通りがあった。街並みは新しくなり、怖かった自転車の通行が禁止されており、本当に住みよさそうな街に変貌していた。とても驚き、そして嬉しくなった。

丸亀町商店街の皆様は、1988年の商店街の400年祭をきっかけに、次の500年祭を見据えた再開発計画の検討を開始されたという。100年先、それはほとんど「夢」の領域であると思う。そして、一時期、居住人口が100人を切った頃もあったというが、それを乗り越え、20年以上をかけて今の商店街を作り上げてきた。商店街の皆さんの100年後を見据えた「夢」は、やがて「計画」に育ち、「現実」となった。この事例は「夢」を「現実」にするために努力し続けることの大切さを伝えてくれているような気がする。丸亀町商店街の再開発は未だ途上にある。引き続き、四国地方整備局もお手伝いをさせていただく。

ところで、四国の高齢化は全国平均と比較して約10年進んでいると言われている。四国が全国に先んじて高齢化の解決策を示さなければ、四国も全国も沈んでしまう。私は「四国こそ日本の課題解決先進地にならなければならない」と思っている。

さて、朝の少し早い時間帯に、丸亀町のコンビニエンスストアに立ち寄った時のことである。若い男性とご高齢の女性が二人で店舗のオペレーションをこなしていた。女性の方はとても活き活きと働かれているように見えた。イートインスペースでは、女性と同じくらいの年齢の男性が2人、コーヒーを片手に談笑されていた。穏やかな笑顔であった。この光景に私は小さな感動を覚えた。年配の方も若い方も共に活き活きと暮らせる街。日本の課題解決の答えの一つは、間違いなく丸亀町商店街にあると思う。

四国地方整備局長 平井 秀輝

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四国地方整備局長 平井 秀輝

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