景勝地や名産は土砂災害の跡地の弱みを、強みに変えたもの

香川大学創造工学部長 教授 長谷川 修一

column

2018.12.20

平成30年9月3日から7日まで4泊5日の日程で、香川大学生9名、芝浦工業大学生28名が小豆島の課題発見・解決をテーマにしたフィールドワークに取り組みました。本プログラムは、内閣府の「地方と東京圏の大学生対流促進事業」に採択された香川大学と芝浦工業大学の教育連携プログラムに基づいて実施されたものです。

現地では土庄町、小豆島町や香川県地域活力推進課の職員の方々から島の歴史や産業等の説明を受け、島内の観光名所の見学、中山千枚田での稲刈りや三都半島での地引き網等を体験しました。最終日には「小豆島をデザインする」をテーマに、両大学の学生混成チームによる地域活性化策のプレゼンテーションが行われました。参加した学生諸君にとっては、現地における観察や体験をもとに、短期間でアイデアを形にするデザイン思考能力を高める機会となったようです。また、小豆島における体験は、首都圏の学生が地方に関心もつ絶好の機会になったようです。

私は、プレゼンテーションの審査員として最終日に参加したのですが、最優秀賞に選ばれた「島に多い坂を活用して、アニメ『魔女の宅急便』のワンシーンを再現するイベント」は、坂道という不利な条件(弱み)を逆手にとって強みに変える素晴らしい発想でした。そして、なぜオリーブ公園に坂があるのか、中山に棚田があるのか、寒霞渓は風光明媚なのかを大地の成り立ちから考えてみることを提案しました。

実は、オリーブ公園は土石流の跡地、中山の棚田は大規模な地すべりの跡地、寒霞渓は大規模な山体崩壊の跡地で、いずれも土砂災害を逆手にとった地域の景勝地であり特産品の産地なのです。土地利用の多様性は、地形の多様性に起因し、地形の多様性は地質の多様性に起因します。地質が違えば地形が違うため、土地利用が違ってきます。土地利用が違えば、生活、産業、文化に違いが生じるのです。自分の住んでいる土地の成り立ちを知ることが、地域活性化の原点ではないでしょうか。

香川大学創造工学部 教授 長谷川 修一

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香川大学創造工学部 教授 長谷川 修一

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