次世代の無人物流システムをつくりたい

瀬戸内かもめプロジェクト かもめや

Topic

2019.01.03

開発した特別な機体

開発した特別な機体

かもめやの代表・小野正人さんは2014年に男木島に移住した経験をきっかけに将来、物流環境が悪化しても持続可能な仕組みをつくりたいと瀬戸内かもめプロジェクトを立ち上げた。

日常の買い物や通院も不便で、天候によっては宅配便も郵便も届かない、各地で船会社の事業撤退が相次いでいるといった現状が背景にある。

プロジェクトでは、陸・海・空ドローンによって瀬戸内海の島々をつなぐ無人物流システムの実現を目指す。まず、瀬戸内に適した機体の研究から始めた。ドローンは4つの羽根がある形が主流だが、長距離を飛行するには飛行機のような固定翼が適している。ただ、離着陸に滑走路が必要で狭い島には不向きなため、離陸は4つの羽根を使って垂直に上がり、飛行中は固定翼を使う特別な機体をデザインし、機体メーカーに制作を依頼した。
鬼ヶ島にちなんで桃を載せた無人ボート

鬼ヶ島にちなんで桃を載せた無人ボート

機体に搭載するプログラムは機体メーカーと共同開発した。あらかじめ決められた飛行ルートを設定しておけば自動で飛行して帰ってくる。実証実験では500gの荷物を載せて高松―男木島間を片道20分で結んだ。より安く、多くの荷物が運べるように、無人ボートによる輸送の研究も進めている。実験では10kgの荷物を載せることができた。
プロジェクトのサポーターのみなさん

プロジェクトのサポーターのみなさん

「香川県では、遠隔医療(注)に力を入れています。遠隔医療ネットワークと連携して、もよりの病院または自宅にいながら専門医のアドバイスが受けられ、処方された薬はドローンで運ぶといったことも実現できれば」と統括コーディネーターの笹尾まなみさんはいう。

実用化の目標は2020年。将来的には、陸海空の無人輸送機と、それらを運行管理するシステムを海外で販売することも視野に入れている。

【HP】https://www.kamomeya-inc.com/

(注)検査したデータを専門医のいる病院に転送して、もよりの病院や自宅などで専門医のアドバイスを受けながら診察が受けられるシステム

ネクスト香川 インキュベートルーム入居者募集

「ネクスト香川」は、技術の高度化・新分野進出を目指す事業者に研究や試作を行うスペースを提供する。「かもめや」も入居しており、笹尾さんは「うちは高額な機体を扱っていますし、施設のセキュリティ面からなかなかいい場所が見つからなかった。ネクスト香川はその条件をクリアしていて研究に専念できます」という。

入居要件、使用料など詳細は下記まで問い合わせを。

TEL:087-869-3700
公益財団法人かがわ産業支援財団施設管理課
https://www.kagawa-isf.jp/

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