熱意が人を動かす

YKK AP 四国支社長 日高 亮さん

Interview

2017.08.17

島根県生まれで、中学から大学まで陸上部。東海大学陸上部の1年先輩には、男子陸上400メートルで3度オリンピックに出場し、日本人で初めてファイナリストになった高野進さんがいた。「若い頃にたくさん走ったので、今は歩いています。高松の商店街は快適に散歩できますね」。2015年から四国支社長を務めている。

守りと攻めのバランス

東海大学の陸上部時代

東海大学の陸上部時代

YKKグループで窓やドアなど建材部門を担うのが、YKKAPだ。日高さんは1985年、津山YKK産業に配属された。まずトラックにサッシなどを積んで、得意先に配達することから始まった。「お客様と顔を合わせて話をする中で、営業の仕事を覚えていきました」

90年には、広島県三次市に新しくできる物流センターの立ち上げに携わった。「設備を入れて、スタッフを雇用してというところから始めました。営業以外の仕事ができたのはとても良い経験でした」。工場と営業所の間に立つ物流センターで働いて、YKKAPの仕事全体を見渡すことができたという。過剰な在庫を抱えたり、反対に欠品が出たりしないよう、売れ筋の予測を立てて計画的に発注。製造と物流、営業のそれぞれの立場を理解できた。

営業を担当していた時は、個人の売上目標はほぼ達成できていた。だから管理職になると、部下に対して、もっと素早く動いてほしい、なぜできないんだろうと思うことがあった。「個人の成績だけでなく、全体を見なければ。チームとしてどうまとめていくかは今も勉強中ですが、十人十色、一人一人個性が違うということは肝に銘じています」

営業に大切なのは、お客さんの気持ちになって行動しながらも、メーカーとして安全で高品質な商品を提供しているという誇りを忘れないこと。そのバランスを取るのは難しいが、とてもやりがいのある仕事だと感じている。

「先輩たちが築いてくれた得意先を守るだけではなく、自社製品のシェアが低いところに進んで出掛ける。他社から切り替えてもらえるのは、商品の良さと営業マンの熱意があってこそです」

メイド・イン・四国の窓

夏は74%、冬は52%の割合で、家の室温は窓を通じて外気の影響を受けるそうだ。「床や壁、屋根も重要ですが、まずは窓。窓の断熱が住宅の断熱強化につながります」。YKKAPはアルミ、アルミ樹脂複合、樹脂製の窓を製造しているが、中でも断熱性に優れた『樹脂窓』の普及に努めている。

YKKAP四国支社の出荷窓数のうち、樹脂窓が占める割合は2013年度が3%、16年度が15%。今年度中に宇多津町の四国製造所で樹脂窓の生産を開始し、20年度までに40%を目指す。

「四国にある中古住宅の83%がアルミの1枚ガラスの窓を使っています。潜在的なマーケットはあるので、対応できるようリフォーム商材もどんどん投入していきたい。アルミはテラスやカーポートなどエクステリアの部材としても使います。適材適所でアルミ建材の供給も維持しながら、樹脂窓をプラスしていくイメージです」

昨年7月にはTOTO、大建工業と連携した「TDYコラボレーションショールーム」を高松市林町にオープンし、各社の持ち味を強調した商品展示を行っている。

リフレッシュは運動と読書

昨年のスペイン旅行

昨年のスペイン旅行

休日は月に何度か岡山市の自宅に帰って愛犬と散歩をしたり、ゴルフの打ちっぱなしへ行ったり。運動不足解消とリフレッシュを兼ねている。東京出張が多いため、新幹線の移動時間中に本を読む。「以前は寝るか音楽を聴くかでしたが、音楽プレーヤーが壊れたのをきっかけに本を読みだすと面白くて。あっという間に時間が過ぎます。最近では弘兼憲史さんや百田尚樹さんの本を読みました」

これまであまり旅行はしなかったが、昨年の春に妻と義姉、姪とスペイン・バルセロナへ行った。「外国では食事も観光も新しい体験。これからも時間を見つけて出掛けたい」

鎌田 佳子

日高 亮 | ひだか りょう

略歴
1962年 島根県生まれ
1981年 広島新庄高校 卒業
1985年 東海大学 卒業
    吉田工業(現・YKK)株式会社 入社
1990年 YKK AP株式会社 中国物流センター
2001年 住宅建材事業部 福山営業所長
2003年 岡山支店長
2008年 関西統括支店 滋賀支店長
2011年 中部統括支店 営業統括部長
2012年 中部統括支店 副統括支店長
2013年 中部支社 副支社長
2015年 四国支社長

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