後悔ないよう全力で

NEXCO西日本四国支社 高松工事事務所 三木さぬき工事長 長谷川 知美さん

Interview

2017.05.04

2015年7月、高速道路会社のNEXCO西日本で、初めての女性工事長に就任した。一日に数百人が作業する高速道路建設現場の責任者だ。「土木の現場で仕事がしたくて日本道路公団に入りました」

現場から広報まで

兵庫県神戸市の六甲山のふもとで育ち、植物の観察と絵を描くこと、読書が好きな子どもだった。自宅が新興住宅地にあり、建物ができていく様子を見るのも好きだった。次第に建築や建設に携わる仕事がしたいと思うようになり、1992年に広島大学工学部に進んだ。土木専攻の40人のうち、女子学生は4人だけだった。

「当時、土木の技術職に就く女性は少なく、研究職に回る人が多かった。先生のすすめもあって、道路公団なら男女の区別なく、現場の仕事ができそうだと思いました」。96年に入社。最初に赴任したのは新名神高速道路の大津工事事務所。技術課で高速道路の建設工事を進める計画を立てた。自分が担当する現場があるということがうれしかった。

2003年に関西支社企画調査課の配属になり、現場からは離れたが「どの部署も会社にとっては大切」と、仕事に打ち込んだ。04年に東京の本社勤務となり、民営化の準備を進めることに。新会社の愛称やコーポレートカラーの決定などブランディングに携わった。日本道路公団は東日本・中日本・西日本の各高速道路会社に分かれ、愛称はNEXCOに決まった。

民営化後、大阪のNEXCO西日本の本社で引き続きブランディングや広報を担当。「NEXCOブランドを育てていくということは、これから自分や会社がどうなっていきたいかを明確にする作業でもありました」。社外への周知も大事だが、まずは社内からだと「ブランドキャラバン」と銘打って各支社・事務所を回り、新会社の目指すべき姿について話し合った。

11年から四国支社勤務となり、15年に高松工事事務所の三木さぬき工事長に。再び現場に戻ってきた。

転勤族ならではの楽しみ

趣味はスキューバダイビングとマラソン、芸術鑑賞。「食わず嫌いはもったいない、一度は体験してみようと思う性格です。住む場所が変わると、また新たな楽しみに出合えます」
2016年の大阪マラソンで

2016年の大阪マラソンで

ダイビングには、月に1~2度は出掛けている。関西にいた頃はよく和歌山に行っていた。四国では高知の沖の島や柏島。時間ができたら沖縄やフィリピンまで潜りに行くこともある。

最近では大阪マラソンや高知龍馬マラソン、香川丸亀国際ハーフマラソンに出場。「四国に来てからは、こんぴら歌舞伎や内子座文楽を見に行っています。最近で印象深かったのは、川島猛さんのオープンギャラリーを訪れたことです」
ダイビング中

ダイビング中

目的は地域への貢献

高松工事事務所は、18年度末の完成を目指して高松自動車道4車線化工事を進めている。長谷川さんは、さぬき三木ICから津田寒川IC間の土工・トンネル・橋梁工事の現場責任者を務め、今年中の竣工を目指す。

現場の優先順位は安全、そして品質。責任者としては、自分の意見を押し付けないで、バランスを取ることを大切にしているという。「高速道路を造るだけではなく、完成後、地域に貢献することが事業の目的。今は高速道路の建設現場自体が少ないので、携われるのはありがたい。後悔のないように全力で取り組みたいですね」

長谷川 知美 | はせがわ ともみ

略歴
1996年 3月 広島大学工学部 卒業
1996年 4月 日本道路公団 入社
1996年 7月 大阪建設局 大津工事事務所
1997年 7月 大阪建設局 京都工事事務所
2000年 2月 東京第一管理局 横浜管理事務所
2003年 4月 関西支社 企画調査課
2004年 6月 本社 企画課
2005年 7月 本社 西日本会社移行本部 広報室
2005年10月 西日本高速道路株式会社 広報グループ
2011年10月 四国支社 企画調整課 課長代理
2015年 7月 四国支社 高松工事事務所 三木さぬき工事長

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