テニスと愛犬でほっとひといき

日本政策金融公庫 高松支店長 笠原 真二さん

Interview

2015.10.01

「香川は、聞いていた通りの暮らしやすさです。瀬戸内海の恵みを始め、昔から豊かな土地なんだろうなと感じますね」。鳥取県鳥取市出身で、自宅は島根県松江市。広島、松江、名古屋、大阪、鳥取、和歌山、岡山・・・と転勤は10回以上経験し、現在は単身赴任中だ。

息抜きは自宅で過ごす時間

大学では法学部で会社法を学び、世の中のお役に立てればと、当時の国民金融公庫に入庫した。1980年代、松江支店勤務をしていた時は、年に数回隠岐へ行く機会があった。当時は船で片道2時間かかった。今のようにパソコンやインターネットが普及しておらず、訪ねると「公庫さんが来た」と歓迎され相談件数も多かったそうだ。

関西勤務では、京都・奈良へよく出掛けた。寺社仏閣が好きで、春は醍醐寺の桜、秋は永観堂の紅葉を愛でた。毎年開催される正倉院展も楽しみにしていた。何度も見に行ったのは興福寺の阿修羅像。「スマートでかわいらしく、美しくも悲しそうにも見える表情が印象的です」

和歌山では高野山の担当になり、その町並みに魅了された。以来、機会を捉えて頻繁に訪れている。今年も2月に行ってきた。「弘法大師ゆかりの四国勤務になったのも何か縁があるのかもしれませんね」

松江の自宅に帰るのが息抜きだと言う。愛犬のヨークシャテリアのチェリーと散歩するひとときがほっとする。中学・高校・大学とテニス部に所属し、就職後も社内の同好会で汗を流した。大学生の息子もテニス部であるため、対戦するのも松江に帰った時の楽しみだ。「息子の方がうまくなってきましたね」

3事業の総合力でセーフティーネットに

今まで大変だった仕事はと聞くと、「つらいことはすぐに忘れる性格なので」と笑う。「じっくり考えることも大切ですが、まずはスピード。融資の場合、間に合わなければ意味がありません。スピード感を持って対応することを心掛けています」

日本政策金融公庫は、前身の国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫のそれぞれの業務を引き継ぐ国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業の3事業から成る。それぞれの事業のトップが統轄で、3事業をまとめるのが支店長だ。

国民生活事業の笠原さんは、松江支店で農林水産事業統轄を務めた。2008年の統合以来、事業間の人事交流が行われているが、他事業の統轄になったのは、笠原さんが初めてだ。それまで経験してきた企業を対象とした仕事とは、顧客もビジネスモデルも全く異なり苦労もあったが、地元生産者との触れ合いなど今までにない貴重な経験が出来た。

支店長になって対外的な仕事が増えた。公庫の存在感を高めるような仕事をしなければと考えている。「3事業の総合力で政策金融としての役割を十分果たしたい。また、今年はいわば地方創生元年。県や市町の計画の策定など取り組みに積極的に参画すると共に、創業、ソーシャルビジネス、海外への展開など成長戦略分野への重点的な融資を行っていきたい」

笠原 真二 | かさはら しんじ

略歴
1957年 9月 鳥取県鳥取市生まれ
1980年 3月 慶應義塾大学法学部 卒業
1980年 4月 国民金融公庫(現 日本政策金融公庫)入庫
2012年 4月 松江支店農林水産事業統轄
2015年 4月 高松支店長 兼 国民生活事業統轄

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