居場所、外国人、そしてAI

香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

column

2019.02.21

学校6年生、12歳の時に不登校になり、そのまま20歳まで家に引きこもっていた。高校、大学に行ったのは社会人になってから。だけど、今の私には、不登校、引きこもりだったことは、生きていく上で何の問題にもなっていない」「私には、幸い家が居場所であったが、どこにも居場所を見いだせない子どもたちもたくさんいる。その子たちに寄り添う活動を続けていきたい」(「子ども・若者育成支援シンポジウム」一般社団法人hito.toco代表理事 宮武将大氏の発言)

「丸亀市立城乾小学校での外国人児童への『にほんご教室』『こくさい教室』の取り組みはどこに出しても恥ずかしくない。ただ、小学校で一生懸命勉強し楽しい学校生活を送っていた児童が、中学になると勉強に全くついていけず、不登校になる子どもが驚くほどたくさんいる。学習用語が難しくなり、日常会話には不自由なくても授業が頭に入らず諦めてしまう」「この子たちの将来を考えれば高校に進学できる実力をつけてあげたい」(城乾小学校の日本語指導の立ち上げに続き、退職後も丸亀市立東中学校「こくさい教室」の運営に尽力されている池内道子先生の話)

「AI研究が注目されるようになった。ただ、多くの研究者は理論研究の人間だ。ものづくりを知らない。AIはものづくりとの連携ができて初めて世の中のためになる」「私は香川高専の学生に大きな期待を寄せている。彼らはものづくりの基本を知っている。彼らが、AIの知識を身に付ければ、ものづくりを牽引していく人材になれる。工芸高校や工業高校の生徒たちにも是非AIを学んでほしい。応援したい」(「AIセミナーinkagawa」東大特任准教授 松尾豊氏の質疑応答での発言)

今年に入り、気づきや刺激、感動を与えて下さった皆さんをご紹介した。仕事の傍ら不登校や引きこもりの子どもたちの居場所づくりに取り組む宮武さん、外国人子弟の将来を気遣う池内さん、わが国AI研究の第一人者でありながら、三豊市に研究ラボを設け、香川での人材育成、産業の活性化に情熱を傾ける松尾さん。子どもたちの育ちは、様々な人たちの多様な努力によって支えられているのだと改めて思った。

香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

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