夏山登山で親孝行

竹中工務店 四国支店長 原 径一さん

Interview

2015.06.18

単身赴任は11年目を迎えた。家族は神戸で暮らす。今年3月、四国支店長に着任。「高校生の時に自転車で四国を一周したことがあるので、とても親しみを感じる土地です」

国内外で山歩き

東京への転勤をきっかけに登山を始めた。丹沢、谷川岳、日本アルプス・・・、訪れた山々ではテント泊が中心だ。5年前には休暇を利用して、ニュージーランドを訪れた。ニュージーランドは山小屋の設備が充実していて、風光明媚で人気の高いルートバーン・トラックで山歩きを楽しんだ。

四国支店に着任後、石鎚山はすでに2回訪れた。「石鎚へ行って、日本には良い山があるとあらためて感じました。香川も飯野山や五剣山などそう高くはないけれど面白い山がたくさんありますね」

毎年夏には、同じく山好きの父親とともに登山する。「年に一度の親孝行です。父は82歳になりますが、登山のために健康管理を徹底しています。今年の夏は、磐梯山を予定していますよ」。原さんも体力づくりのため、出来るだけ早朝にランニングを行う。秋には、高校時代の友人と北アルプスに行くのが恒例となっている。

登山前の準備は入念に行う。どういうルートで行けば安全かを考えて計画を立てる。実際に登ってみると、事前の情報とは違っていることもあり発見が多い。決して無理はせず、危険だと思えば撤退する。「登頂して美しい景色を見ることも楽しみですが、見られなかったとしても、そこに到達するまでの過程が面白い。一人で登った時には、静かな場所で、これまでのことやこれからのことをじっくり考える時間が持てますから」

万博に魅せられた少年時代

大学では建築計画を専攻した。建設関係の仕事を志したのは、大阪万博がきっかけだ。当時小学生で、期間中何度も見に行った。一つのまちとして存在する、全体の雰囲気が好きだったが、中でもお祭り広場とそこに立つ太陽の塔がお気に入りだった。「二度と味わうことが出来ないのではと思うほどの感動でした」。家に帰ると、土遊びで万博のパビリオンを再現するほど夢中になった。

技術職として入社し、生産性向上のための工法開発を担当した。そして、新築からリニューアルへという時代の流れとともに自分も変わらなければと、ファシリティーマネジメント(FM)部門への異動を希望。建物のリニューアルを提案する部門で、本社の本部長を務めた。

「仕事も登山ももっと違う景色が見たい、もっとチャレンジしたいという気持ちになります。山での判断力が仕事に結びついていることもありますね」。何事も安全な道はないという気持ちで、ルート選びは慎重だ。「お客様からの信頼を失うことのないよう繋いでいきたい。阪神淡路大震災の時は神戸にいました。建設業への期待や信頼を感じましたね。その気持ちに応えるべく、安全・安心な建物をいかに提供出来るか考え続けたい」

原 径一 | はら けいいち

略歴
1960年8月 京都府京都市生まれ
1984年3月 神戸大学工学部環境計画学科 卒業
1984年4月 株式会社竹中工務店 入社
2000年4月 神戸支店 技術課長
2003年3月 大阪本社 営業本部 FM部課長
2007年3月 東京本社 FM本部課長
2009年3月 東京本社 FM本部副本部長
2013年3月 東京本社 FM本部長
2015年3月 四国支店長

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