他にないツアーの提供で島に雇用を生む

テシマサイト 森島丈洋さん

Interview

2020.01.16

「豊島に出合って本当に良かった。好きな気持ちは今でも変わりません」。株式会社テシマサイトの代表・森島丈洋さん(39)は岐阜県出身で、2006年に豊島へ移住した。

17年に旅行・観光業のテシマサイトを設立。豊島を中心に瀬戸内の旅行の企画やガイドを手掛ける。お客さんの要望に合わせて、アート作品を見たりシーカヤックをしたり。「豊島の壇山からの眺めがおすすめです。瀬戸内海を一望できます」

森島さんが初めて豊島を訪れたのは00年8月、大学生の時。社会問題を学ぶサークルに所属していて、不法に投棄されていた産業廃棄物の視察のためだった。その後も通ううちに「豊島の魅力や可能性に惹かれて。小さな島で力強く生きる人たちを尊敬するようになりました」。学生時代の後半は豊島での活動がメインになり、秋祭りなど地元のイベントも手伝うようになった。

会社員を経て、06年に豊島で就農。島の知人たちが立ち上げた農事組合法人に、研修生として参加した。お米やオリーブ、野菜、ハーブなどを育て、観光客が田植えや稲刈りを体験するグリーンツーリズムも手掛けた。島内の余剰野菜を買い取って、高松の料理店に販売するなどもした。

09年にイチゴ農家として独立。翌年に開催されたのが、1回目の瀬戸内国際芸術祭だ。15年に離農した後、3回目の芸術祭ではアーティストのサポートや、ドローンを使った撮影、ガイドなどを務めた。「農業よりも観光業のほうが自分には向いていました。島の魅力を人に伝えることが、島の活性化にもつながると考えました」。個人事業でガイドを始め、17年に法人化した。

芸術祭をきっかけに、豊島は大きく変わったと感じている。「産廃のイメージが払拭され、アートや自然豊かな島として、島外の人に認識されるようになったのでは。旅行客だけでなく、若い移住者もずいぶん増えました」

民泊やゲストハウス、ホテルなどの宿泊施設も増えているという。「これからは昼間のアクティビティだけでなく、宿泊客向けに朝や夜のツアーを考えたい。豊島が拠点だからこそできることが、強みになると思います」。海上タクシーやバス会社と連携してツアーを組む話も進む。

テシマサイトでしかできない体験をお客さんに提供すること、そして島に雇用を生むことが、森島さんの目標だ。「豊島を初めて訪れてから20年。他の島や高松、三豊などにもネットワークが広がりました。瀬戸内の魅力を全国・海外の人に感じてほしい。旅で感じたものを日常に持って帰ってもらう。それが生活の励みや何かのヒントになれば」

最近、高齢で島での生活が難しくなり、島外へ引っ越した人から家と畑を受け継いだ。時間をかけて、豊島の魅力が凝縮したような場所にしたいとも考えている。

今は森島さん一人でテシマサイトを運営しているが、島を巣立った子どもたちや、移住者の働く場所として受け皿の役割も果たしていきたいという。「好きな豊島があり続けるために、自分は何ができるのか。そう思えるものに、出合えただけでも幸せですね」

鎌田 佳子

森島 丈洋|もりしま たけひろ

略歴
1980年 岐阜県岐阜市生まれ
1999年 私立大成中学・高等学校 卒業
2004年 立命館大学経営学部 卒業、民間企業に就職
2006年 農事組合法人研修生として豊島へ移住
2009年 イチゴ農家として独立
2015年 離農
2017年 株式会社テシマサイト 設立

株式会社テシマサイト

住所
香川県小豆郡土庄町豊島家浦1723
事業内容
ツアーの企画、ガイド
地図
URL
http://teshima.site
確認日
2020.01.08

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