「因果関係」と「相関関係」の違い、わかりますか?

学習塾経営者、ビジネス数学インストラクター 大沼宏和

Research

2021.09.16

本当に「Aが原因でBが起きた」のか?

「風が吹けば桶屋が儲かる」これはある意味、日本人にとって最もポピュラーな因果関係の例かもしれません。しかし、現実世界にそれを落とし込んだとき、「桶屋が儲かった」原因は本当に「風が吹いた」ことなのでしょうか。ビジネスにおいて、Bが起きた原因がAなのかを調べることは極めて重要です。それは、もしその見立てが間違っていた場合、Aを起こす(または起こさないようにする)ための労力がすべて無駄になるからです。

因果関係は相関関係の一つにすぎない

因果関係とは「2つのできごとが原因と結果で結ばれている関係性」を指します。それに対し、相関関係は2つのできごとに何らかの関係性がある場合すべてを指し、因果関係はその中の一つにすぎません。

例えば、「ストレッチを毎晩続けたから腰痛が治った」は、「ストレッチを毎晩続けた」が原因を、「腰痛が治った」が結果をそれぞれ表すため、因果関係があると言えます。

ところが、「交番の数が多い地域ほど犯罪件数も多い」は誤ったロジックで、正しくは「犯罪件数が多い地域ほど交番の数が多い」となり、いわゆる因果関係が逆の事例になります。他にも「英語の勉強に熱心な生徒ほど数学の成績が良い」という、一瞬耳を疑いたくなるような事例もあります。実はこれ、「有名進学校の生徒ならば」という第3の因子が存在しており、「有名進学校の生徒ならば英語も勉強するし、数学の成績も良い」という事実を見誤った結果となるわけです。

そして最後に、とても馬鹿馬鹿しい事例をご紹介します。図は、アメリカのメイン州におけるマーガリンの消費量と離婚率をグラフ化したものなのですが、驚くほど相関性が高く、これでは「マーガリンの消費量が下がると離婚率も下がる」ことになってしまいます。もちろん、この二つの事実には何の関連性もありません。単なる偶然です。

因果関係の立証は難しいと知ることが大事

今回紹介した事例は比較的単純なものでしたが、現実世界はもっと多くの要素が複雑に絡み合っていること、また、すでに起きている結果についてタラレバが存在しないことなどから、因果関係の有無を完全に立証することは極めて困難です。しかし、私たちが明日からでも簡単に実践できることがあります。

第一に、「因果関係の立証はそもそも難しいものだ」と知り、関係性を決めつけないことです。因果関係があると思っていた2つの事柄の間に第3の因子が存在していた、なんてことはよくある話です。別の可能性も十分あり得ると想定できていれば、立てた仮説の誤りに早く気付くことができます。第二に、入ってきた情報を鵜呑みにしないことです。テレビのニュースやインターネットの記事で、思わず二度見するような見出しがつけられることがありますが、実はその見出しをつけた張本人でさえ因果関係が分かっていない場合があります。それを見てすぐに反応するのではなく、情報を最後まで確認し、因果関係の有無を正しく判断する必要があります。

最後に、自分と異なる意見・考えに積極的に耳を傾けることです。データや情報の見方は千差万別で、皆が自分と同じ分析をしているとは限りません。したがって、自分の意見を持ちつつ他者の意見にも耳を傾けるようにしましょう。例えそれが論理的根拠に基づくものでなかったとしてもです。

大沼 宏和|おおぬま ひろかず

略歴
1982年 青森県生まれ
2001年 高松高校 卒業
2005年 神戸大学工学部 卒業
2007年 神戸大学大学院自然科学研究科 修了
香川県の予備校勤務を経て
2016年 HOP 設立
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大沼 宏和|おおぬま ひろかず

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