巨大なクレーンは、ミクロン単位の精密な技術が支えている

村上製作所の「クレーン用油圧機器」

Interview

2021.10.07

「油圧」とは小さな力で大きなものを動かす仕組みのこと。油圧装置は、「パスカルの原理」(注1)を応用している。この原理を使い、クレーンなどの巨大な機器を思い通りに動かすための装置が油圧で、自動車、飛行機、農機、工作機械から遊園地の遊具まであらゆるところで使われている。

ムラカミの油圧機器は、何がすごい?

治水に関する事業も展開。写真は油圧を利用した水門「起伏ゲート」

治水に関する事業も展開。写真は油圧を利用した水門「起伏ゲート」

基礎的なテクノロジーだが、生活や産業を支えるために欠かせない油圧。村上製作所が主につくっているのは、クレーン用の油圧機器だ。用途によって形は違うが、油圧機器の基本的な仕組みは同じ。部品の一つ「シリンダ」は油圧を直線的な運動に変換する機器で、電気機器と比べて小さな形で大きな力を出せる。この力を利用してクレーンを作動させ、作業中の姿勢を安定させている。

ここで大事なのが「小さい力をいかにムダなく大きな力に変えることができるか」。ムダなく力を伝えるための技術、それが村上製作所の腕の見せ所だ。そのポイントは、精密な"加工・研磨"にある。

例えば、シリンダを「伸ばす・縮める・止める」ための「バルブ」の主要部品は、数μm(1μm=1/1000mm)の精度で加工され、すべての部品を組み立てたときの隙間にも厳しい精度が求められる。

この精度が確保できないとシリンダがスムーズに作動しなくなり、クレーン作業中の姿勢が安定しない。また、部品同士の隙間が大きくなると適正量以上の油が流れ、エネルギーのムダになる。油圧機器の大敵でもある油中のごみ混入防止にも細心の注意を払っている。

クレーンの安全と、ムダなく力を伝えるために――。精密な加工・研磨、それを測定管理し組み立てる技術は四国でもトップクラスだ。

何百トンもの物を吊り上げる巨大なクレーンは、技術者たちの「ミクロン単位」の繊細な加工に支えられている。

注1
パスカルの原理=密封した容器内の静止した液体の一部に圧力を加えると、液体内のすべての部分に同じ圧力で伝わる。

株式会社村上製作所

住所
香川県高松市新田町甲297-1
代表電話番号
087-841-4181
設立
1946年
社員数
209名
事業内容
自動堰、水門、水処理施設等の設計・製造・施工
各種油圧シリンダーの設計・製造・組立 他
地図
URL
http://www.murakamiss.co.jp/
確認日
2021.09.02

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ