
フローチャート的コミュニケーション
フローチャートとは、「業務のプロセス、システム、コンピューターアルゴリズムを示す流れ図」のことです。自分の考えを伝える際、このフローチャートを会話の中で意識すると、相手が話の「流れ」や「構成」をイメージできるため、伝わりやすくなります。
例えば、ある企画のプレゼンを行う際、図1のようなフローチャートを意識した状態で話すとこうなります。
「私は○○を提案します。理由は3点あり、1つ目は…、2つ目は…、最後に…だからです」

「AをするとBが起きます。BをするとCが起きます。したがって、Cを起こすためにまずAをすべきです」
上記の例は、実はそれほど難しい話ではありません。しかし、重要なのはこのイメージを相手と共有することです。みなさん、これ、本当にできてますか?
考えを聞くための3つのテクニック
では、相手の考えを「正確に」聞くにはどうすればよいのでしょうか。これも3つのテクニックを紹介します。
1つ目は、「数値化させる」ことです。例えば、私が本業の学習塾にて生徒と面談していて「英語は得意だけど数学が苦手で…」と言ってきた場合、私は「『1』が大っ嫌い、『10』が大好きだとすると?」と返します。すると生徒は、「英語は『8』で数学は『2』ぐらいです」と、より答えやすくなります。
2つ目は「ロジックを合わせる」です。自分の考えを伝える際に「ロジックを使う」ことの重要性を述べましたが、それでも話がかみ合わないときがあります。実はこれ、話の前提や言葉の定義がズレているときに起こるのです。
例えば自分の部下が「都市部で多くのライバルと競争するより、田舎で圧倒的な売上を達成する方が良くないですか?」と言ってきたとき、「都市部」と「田舎」の意味をお互いが勘違いしていると、話がかみ合わなくなる可能性があります。そこで、こちらが「『都市部』と『田舎』はどのイメージで言ってる?」と聞き、部下が「『都市部』は東京、『田舎』は高松って感じです」と言えば、議論は前に進みます。
最後は「話を分解する」です。「フローチャート的」に話せない相手に対し、こちらがその「流れ」や「構成」を紐解くイメージです。以下、具体例です。
後輩「僕ってモテないんですよねー」
自分「なんでモテないんだと思う?」
後輩「話題が乏しいからかな。あ、気が利かないからかも」
自分「気が利かないのはどの辺が?」
誰もがロジカルに、分かりやすく話せるわけではありません。しかし、このように自分が誘導してあげる形で理由や原因を掘り下げたり、話の全体像を「見える化」することで、人はあなたに対し話しやすくなり、親近感を持ってくれることでしょう。
大沼 宏和|おおぬま ひろかず
- 略歴
- 1982年 青森県生まれ
2001年 高松高校 卒業
2005年 神戸大学工学部 卒業
2007年 神戸大学大学院自然科学研究科 修了
香川県の予備校勤務を経て
2016年 HOP 設立 - 写真
将来展望型学習塾HOP
- 住所
- 香川県高松市太田上町1060‐11 太田第一ビル
- 代表電話番号
- 087・880・4159
- 地図
- URL
- https://www.hopforhope.info
- 確認日
- 2021.07.01
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